カテゴリー「4月1日」の3件の記事

2008年4月 1日 (火)

【秋庭系オカルト堂】暗渠の玉川上水と地下鉄副都心線の意外な関係(4月1日)

玉川上水には、数々の謎がある。

・玉川上水は、何故、暗渠の部分まで含めて「史跡」なのか?

・玉川上水は、羽村から、どこまでのことを指すのか?

・使用目的のない暗渠の玉川上水は、何故、保全されているのか?

もともと、玉川上水は、羽村取水堰から始まり、武蔵野の台地を流れ、四谷大木戸にたどり着き、そこから先は暗渠の管路を通って、江戸市中に水を供給していた。そのうちの何本かの管路は、江戸城の敷地内にも流れていた。

関東大震災のあと、新宿の都市化が急速に進み、山手線から四谷大木戸までが暗渠化され、さらに現在の笹塚から新宿までも、暗渠化されている。

しかし、玉川上水は、羽村取水堰から四谷大木戸まで、すべて引っくるめて史跡に指定されている。

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2007年4月 1日 (日)

【秋庭系東京地下物語2007】(4月1日)樹齢300年の桜を枯らした極秘地下鉄の妄想

オイラの町の外れに小高い丘がある。その丘のてっぺんには、樹齢300年と言われているソメイヨシノがある。この丘からは、オイラの住んでいる町が一望できて、春になると、桜の木の下で、町を見下ろしながら、お花見をするのが楽しみなのだ。

オイラの小学生の頃、この桜の付近には、妙な噂があった。都市伝説とでも言うのだろうか。

お花見をしていると、電車の通る音がするというのだ。

最初、都市伝説のようなものを信じないオイラは、てっきり町の真ん中を走る京王電車の音とばかり思っていた。ところが、京王の線路まではかなり距離があって、いくらなんでも、ここまで音が届くとは思えない。でも、1日に何度か、確かに、電車が走るときの“ききー”という音が聞こえてくるのだ。

そんな話は、すっかり子どもの頃のことで、オイラはすっかり忘れていた。

再びそのことを思い出したのは、つい数ヶ月前である。

このソメイヨシノが、サクラテングス病にかかっているという記事を、地元の新聞で読んだのだ。最近、温暖化の影響で、桜の病気が増えているらしい。東京の気温があと4度上がると、東京は熱帯地方に入り、ソメイヨシノが死滅してしまうかもしれないらしい。

でも、この樹齢300年のソメイヨシノを病気にしていた原因は、意外なものだった。

新聞によると、このソメイヨシノが立っている丘は、もともと戦時中には巨大な地下防空壕があったらしい。今もその地下には、当時の遺構がほとんどそのまま残されており、ソメイヨシノの根元を傷める原因となっていたというのだ。遺構に地下水が流入し、ソメイヨシノの根が腐ってしまったらしい。

桜は、今年の春を前に、ばっさりと切られることになった。

この小高い丘は、もともと樹齢300年の桜があったからこそ、開発の波にも洗われずに自然が残されていた。市は、桜を伐採したあと、この場所を市営住宅の土地として再開発する計画を立てた。35階建てのタワーマンションが建つ予定だ。30年来の計画だが、ソメイヨシノがそれを拒んでいたのだ。

地元では大きな反対運動が起きた。

ソメイヨシノを守れ!自然を破壊するな!

住民の声も虚しく、市議会は予算をあっさりと可決し、市は正式にこの丘の再開発を決めた。今月にも、造成工事が始まるらしい。

住民団体が、市に情報公開請求を行って、計画の詳細を書いた公文書を手に入れたところ、意外な事実が判明した。

「取り扱い注意」と書かれた文書には、「地下埋設物等処理の具体的手法について」というタイトルが書かれていた。文書の大半は、墨で黒く塗られていて、何について書かれた文書なのか不明だったが、この樹齢300年のソメイヨシノが立っている丘のことであることは、明らかだった。

本件地下埋設物上床部にはソメイヨシノが根をはっており、処理にあたっては具体的手法について検討が必要

その文書には、そう書かれていた。「構造物下段に残された軌道」という言葉も確認できる。

オイラは、その実物を手にして、あの小学生の頃の記憶をよみがえらせた。

ソメイヨシノの周辺の都市伝説…桜の木の下で電車の走行音が聞こえる。

この町の外れには、かつて陸軍の基地があった。戦後GHQが接収したが、その後米軍基地となり、30年ほど前に日本に返還されている。都心から多摩地域にかけては、こうした陸軍の拠点を結ぶ極秘地下道が広がっていたという噂を聞いたことがある。30年前、米軍はその地下道を何に使っていたのだろうか。

市が、その場所にわざわざ高層マンションを建てる理由は分からない。

地下処理ということか。

オイラは、とりあえずそう納得してみることにした。

もともとそこにあった地下防空壕がどこにつながっていたのか、マンションが建ったあとは地下道がどうなるのかは、市役所に聞いていただきたい。オイラのほうは、「いろいろ、あるんだよ」とでも言うよりほかない。

※この記事はフィクションであり、実在する人物・団体とはいっさい関係ありません。いや、マジに関係ないですから。4月1日ですから。

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2006年4月 1日 (土)

ねえ、君は、どんなことを考えて、30年も、そんなところに鎮座しているんだい?

オイラは、とにかく帽子が大好きで、しかも、何ヶ月かに1回くらい、東急ハンズとかパルコとかで、新しい帽子を買ってしまう。

今日、渋谷を、彼女と歩いていたら、ラブホテルが建ち並ぶ一角に、小さな雑貨屋さんのようなお店に出会ったんだ。

こんなところに、どうして?

そこは、アジア系の雑貨を中心に、大小様々な置物やらアクセサリーやらが並んでいて、オイラも彼女も、あっという間に虜になってしまった。小指の先ほどの小さな猫の置物…、しかも、ヒゲがぽよんぽよんとゴムで弾んでいる。バケツの中に汚い石が詰まっていると思ったら、石のひび割れの中から、美しい原石が見える。石によって、中身は青だったり、緑だったり…。

その店の一番奥には、帽子が並んでいるコーナーがあって、ターバンっぽいのから、麦わら帽子みたいのや、猫耳付きだったりして…。

で、その帽子コーナーの一番奥に、巨大な帽子、うーんと…、ツタンカーメンが被っているように黄金色で、そこには赤や緑や青の色彩の絵が描いてある。これが、オイラたちをジッと見つめているような気がしたんだ。

「ねえ、被ってごらんよ」

彼女がそう言うので、オイラは少しビビりながらも、その巨大なツタンカーメン風の帽子を頭に載せてみた。

「似合う」

「……(苦笑)」

オイラは、鏡に自分の姿を映してみた。

ひどい。

オイラたちは、アホみたいに笑った。彼女は、オイラの顔を見て、オイラは、鏡に映るオイラを見て、とにかく腹が痛くなるほど笑い尽くした。

はあーっと一息ついて、オイラは、帽子を外そうと…

ん?

外そうと…

ん?

外れない。

彼女が、オイラの帽子を引っ張った。が、頭の皮が伸びるような感触があるばかりで、帽子はさっぱり外れなかった。

うそ。

ふと振り返ると、初老の男性が、オイラの方を見て、震えていた。

「あの…、お店の方ですか。帽子がとれなくて…」

「あんた…、とんでもないことをしてくれたな」

「なんです?」

「その帽子は、国の特別保護記念物なんだ。壊したら、大変なことになる」

「特別…?なんですか、それは…」

突然、けたたましく非常ベルが鳴った。数十秒もしないうちに、店はパトカーやら消防車やらに取り囲まれて、レスキュー隊が店に入ってきた。

「帽子は?」

「あの、とれなくなりました。とっていただけるんですか」

「残念ですが、あなたから帽子をはなすのではなく、帽子からあなたをはなすのです」

レスキュー隊が、全員一斉にノコギリを手にした。

えっ?

切られちゃうのは、オイラ!?

オイラと彼女は、お店中のモノをひっくり返して、抵抗したが、すぐにオイラが確保されてしまった。彼女を店に残して、オイラは、外に引きずり出された。

「待てよ。そんなノコギリで切ったら、帽子に返り血が飛んでしまうぞ。汚れてもいいのか?」

レスキュー隊の隊長が、「なるほど」と頷いた。

なんだ、随分物わかりがいいじゃないか。

「お前は、帽子ごとラミネート加工して、国立博物館に展示する」

なっ!!!!!!!!!!!!!!

あれから、30年、オイラは、あの帽子を被ったまま、博物館の片隅にある展示ルームに、鎮座している。たまに彼女が来てくれるが、その頻度も、年を追う毎に減って、最近はもう、何年も姿を見ていない。

・・・・・・・2006年4月1日

サクラは、満開を迎えているらしい。

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