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2009年7月 1日 (水)

東京都議会議員選挙

7月3日告示12日投開票の都議選。まさか、自民対民主などという冗談みたいな対立軸で選挙戦が展開されるとは、思っても見なかった。

石原都政は、もう、政権としては末期状態だ。

にもかかわらず、石原慎太郎が吠え続けているのは、誰かが支えているからに他ならない。

自民、公明は、もちろん、支えている側だ。

でも・・・。

2001年3月29日、都議会本会議。

この日は、第1回定例都議会の最終日。各会派が知事提出の議案に賛否の討論を行い、採決する本会議が開かれた。

当時は、石原知事1期目。今のように、石原都政のほころびもあまり見えない時期だった。

無所属クラブという、無所属の都議ばかり数人集めた会派があった。その中から、三鷹市選出の三浦政勝都議が、会派を代表して討論に立った。

三浦都議は、この年の6月に行われる都議選には出馬せず、勇退が決まっていた。

以下の文章は、その討論からの抜粋である。

そこで、私の討論を締めくくるに当たりまして、一言申し上げさせていただきたいと存じます。
 その前に、佐藤議運委員長初め議運の理事会のメンバーの皆さん方、こういう場を、この場で、こうした時間に与えていただきましたことを厚く御礼を申し上げたいと存じます。
 今定例会におきまして、私同様、今期をもって勇退されるとお聞きしておりますのは、かつてない人数、十九名に上っているそうでございます。その中のお二人の先生から、いみじくも現下の都政運営を杞憂し、その根幹に触れる同趣旨の質問が出されております。平成七年に石原知事が突然衆議院をおやめになるという演説をされた、あの議事録を見せていただきました。その中にも、国を憂い、そして国会を憂う、その杞憂からやめざるを得ないということを決意されたことを読み取ることができました。
 今回ご勇退をされる中に、私のお隣にお座りでございますが、私的な立場では、石原知事も、おやじさんと呼んではばからないと聞いておりますが、自民党の奥山則男先生の予算特別委員会での発言、これはなかなか私の印象に残っております。残念ながら、あのときに、自民党の応援団の方々は、どなたもおられなくて、私が一生懸命応援しておりました。

 そして、社民党の直言する議員として、自他ともにお認めになっておられる藤田十四三先生の本会議質問でありました。
 いずれも、石原知事就任以来の、知事ご自身の言動に対する杞憂であり、また、知事をおもんぱかる気持ちと、都政の健全な進展を願うための諫言でもありました。さらに、副知事を初め、幹部職員の側近としての意識を喚起させるための発言であったと思っております。私は、全面的に、このお二人の発言に同調するものでありますが、しかし、きっと私と同じ気持ちを持っておられた方々は、大勢おられたはずでもございます。
 知事、私どものこの後ろに立っております日本の国旗、そして東京都の都旗、これがここに設置されてから、わずかまだ一年でありますけれども、しかし、私たちにはすっかり、これはシンボルとしてここに定着をしております。定着をして当然であったはずのものが、やっと一年前に設置されたということでもあります。
 翻って、石原知事がそこにお座りになっている姿も、私たちにとっては、もうすっかり定着をし、当然そのものと思っておりますし、また、期待も大変強いというふうにも思っております。──こっちはちょっと違うかもしれませんけれどもね。(笑声)
 今、大半の都民は、石原知事の強力なリーダーシップと圧倒的な存在感に喝采を送っておられると思います。一方、ここで考えなくてはならないのは、
知事と同様、私たち都民の負託にこたえて存立する議会もまた、そうあらねばならないということではないでしょうか。
 しかし、つい先日、議会と執行機関の関係を根底から脅かしかねないことが起こったのであります。それは、私自身傍聴者として出席をしておりましたが、三月十六日の予算特別委員会における知事と共産党質問者の間で起きた騒動、私はあえて騒動と申し上げますますけれども、これはまさに奥山、藤田両先生が杞憂し、諫言したことが現実に起きてしまったといわざるを得ないからであります。
 お断りいたしておきますが、私は、政治家である石原知事がどのような表現で発言をされようと、また、特定政党をどのように批判し、また評価しようと、それに関与するつもりは一切ありません。さらに、私自身は、日本共産党の思想信条や、それに伴う行動などには全く相入れない立場であることをも申し上げておきます。
 先ほども申し上げましたけれども、私はその委員会傍聴者として、その場にいたわけでありますけれども、問題は、そのやりとりの中で、あろうことか、知事ご自身が質問者である議員に質問をし、さらに、その答弁を数回にわたり求めたことであります。しかも、議事録をして私は確認をいたしましたけれども、質問者に対し、「答えなさいよ」と、また、私ども議会の共通の公職にある委員長席に座っていた副委員長に対して、「しっかりしろよ委員長」などと、上位者が下位者に、下位にある者に命令しているかのような発言を続けてきたことであります。しかも、「ちゃんちゃらおかしい」というような言葉さえ答弁席で発言されたということは、何をかいわんやであります。本当にこれでよろしいのでしょうか。
 共産党のチラシによる事の発端は発端として、このことは、私ども議会全体として真剣に考えるべき、ざんきにたえないことであります。

 改めて申し上げるのをはばかりますけれども、知事を初め執行機関側の方々は、議会の要請によって説明員として出席されているのでありまして、議会において議員に対する質問権はないのであります。何かを指示することももちろんできないのであります。したがいまして、知事の一連の発言は、どう強弁されようといたしましても、これは議会の尊厳をじゅうりんする、執行機関としては、超えてはならない一線を超えていたといわざるを得ないのであります。(「なめられる議員もいけないよ、なめられる議員も」と呼ぶ者あり)全くそのとおりだ。
 また、さらに私が驚いたことは、その場におられた理事者、説明員席の最前列で、大きな声でやじを飛ばしていた者がいたことであります。あれで知事を後方から支援していると思っておられるのでありましょうか。その行為がどれだけ知事ご自身の品位を汚すことになるのか、お考えをいただきたいのであります。知事の信頼を得れば得るほど、トラの威をかりた何とかとならないように、自戒をされますよう、発言された方には申し上げておきたいと存じます。

 要は、このたびの騒動が特定の会派であるから起きたことと見逃してはならないことではないでしょうか。(「そうだ」と呼び、その他発言する者あり)まあ、抑えて。今後、議会がこの種の発言を、また言動を看過するならば、いつの間にか議会の持つ権能に深刻な影響を及ぼすことになりかねません。議会は、議会みずからがその尊厳を守り維持する努力をしてこそ、執行機関との間に、よい意味での緊張関係が生まれ、そこにこそ真に都民の負託にこたえ得る都政が、そして議会論戦が展開されるものと思っております。
 いよいよ原稿も一枚になりました。(「先輩、頑張れ」と呼ぶ者あり)ありがとう。
 終わりに、知事がご就任になった直後、私たち会派との懇談の場がございました。その当時、ある雑誌に知事は、鈴木元知事のことを評して、あの方はクールな独裁者ではあったということを表現されておりました。その懇談の場で、私はそのことを反面教師として、石原知事にこう申し上げました。石原さん──石原さんとはいいませんでしたかね、石原知事と申し上げましたか、石原知事、私は雑誌でそういうことを読ませていただきましたが、石原知事がホットな独裁者になるのではないかということを心配をいたしておりますが、いかがでしょうか、そう質問をさせていただきました。知事、覚えておられると存じます。
 そのときに知事は、即座に、こうお答えになりました。いや、三浦さん、それは違う、私には千人の友人がいるからとお答えになりました。私はなるほどと思いました。知事はお好みではないかもしれませんが、中国の思想家孔子は、指導的な立場にある弟子に向かってこういう言葉を残されました。それは、多聞の友を持てということであります。
 私は、その意味を、直言してくれる友を多く持てということだと聞きました。知事のいわれた千人の友人がそうあってほしいと思っております。そして、まさしく都庁の内外に多聞の友をお持ちになって、今後も、ますます魅力的な個性あふれる石原都政を展開されますよう、期待をいたしております。

 以上をもちまして、恐らく二十四年間皆様方に大変お世話になりました、私、三浦政勝の議会活動における本会議場での最後の発言として、私の都議会無所属クラブを代表しての討論を終わらせていただきます。いろんな意味を込めて、いろいろお世話になりまして、ありがとうございました。今後のご健闘をお祈りいたします。
 ありがとうございました。(拍手)

最後に、「(拍手)」とあっさりと書いてあるが、このときの(拍手)は、満場の拍手だった。討論は各会派ごとに登壇するが、発言が終わった後の拍手は、その会派の人たちが行うから、数人しか会派がいない無所属クラブなら、パラパラと拍手が聞こえる程度だろう。

だが、このときは、自民党から共産党まで、ほとんどの人が拍手していた。

それだけではなく、本来、拍手という意思表示をすると退席させられる傍聴席も、あろうことか、記者席やカメラ席まで、拍手で埋め尽くされた。

そして、議場の理事者席には、むっつりした石原知事と、浜渦副知事がいた。

予算が成立すると、知事と理事者は、各会派の控え室をあいさつに回る。無所属クラブの控え室にも、当然立ち寄った。

このとき、三浦都議の討論で指摘された「その場におられた理事者、説明員席の最前列で、大きな声でやじを飛ばしていた者」が、知事の後ろからぼそっと、

「先生方がしっかりしないから、私が・・」

と宣った。

このとき、控え室にいた面々は、ただただ苦笑するしかなかった。

誤解してほしくないが、三浦都議は左派ではない。むしろ、保守的なほうで、都政では石原都政の与党として応援する側にいた。なので、このときにも、予算案に賛成している。

三浦都議の不安は的中し、浜渦副知事は2005年に都議会で問責決議が可決され、副知事を辞職した。

もうひとり、三浦都議も紹介していた、藤田十四三都議の一般質問も、紹介しておこう。これも、三浦都議と同じ2001年の第1回定例都議会本会議である。

 今定例会で提案された組織改正の目玉となる知事本部の下敷きとなったであろう大統領府などの発想にうかがわれる、知事 の強大な権力志向と、例えば石原新税にかかわって私がおこがましく指摘したような行政手法が合体し、常態化する。身近でだれも知事をいさめない。加えて、 昨年第四回定例会終了時のコメントで私が言及した、容貌を動かしてここに暴慢に遠ざかる、この作風が知事の周辺でなくなる。さらに、執行機関と議会相互間 のチェック・アンド・バランスの気概が不十分なまま、都知事のトップダウンが突出し、まかり通る。まさにこのヒエラルキーができたときの都政はどうなるのか。その危惧と、都議選、参議院選後、混迷必至の政局下、都民の知事への支持も、知事と都議会の関係も定かでないと見る私の認識を重ね合わせ、私は、これからの都政の行く末に思いをはせます。
 最初は、都政の流れを変えるというダイナミックな言動で都民の注目を集め、多少の傷は物ともせず突進して きたかの感があるが、今後は、都庁という巨大な組織を率いる長として、時には都政の隅々に行き渡る気配りをした指揮の完成度を高める努力が必ず求められる。
あらゆる権力に、対抗勢力は必要なのであります。あえて自分に対する批判を含め、あらゆる議論によく耳を傾ける真摯さを忘れないでほしい。
 この二つが、栄光と挫折双方の修羅場をくぐり、鈴木、青島、石原三代にわたる都政の激動とめぐり合わせてきた私の、知事への直言であります。
 

藤田都議は、北区選出。都議会における社民党最後の一人で、三浦都議同様、01年都議選には出馬せずに勇退した。

当時の石原慎太郎は、絶大な人気を誇っていた。今でも人気がないわけではないが、新銀行東京の経営破綻や、築地市場の移転問題などで、すっかり評判は落ちてきた。何より、腹心の副知事を失って以来、すっかり裸の王様と化している。

その裸の王様を支えているのは、車の両輪の片方である議会に他ならない。

それが、今になって、「政権交代」だの、「自公を過半数割れに」だのと、吐いたつばを自分に当てるような選挙をしているのだから、しらけるしかないのだ。

オイラは、神奈川県民だから(笑)、都議選にどうこう言っても、傍観者でしかないのだが、2人の都議が8年前に知事や知事周辺、議会人に対して行った警告を、現在の都政はほとんど受け止めることなく、ここまで来ているという現実に、呆然とするしかないのだ。

その一方で、改選が繰り返されるたび、真のしっかりした議会人が都政から姿を消し、相変わらず都議会では、知事とオール与党が共産党をじくじくといじめ、共産党はいじめられればられるほど恍惚とアイデンティティーを強めるという、政策論争抜きのパワーゲーム、都民にとって救いようのない世界が展開されている。

社民党は、藤田氏が都議会を去って以来、1議席も復活できず、今では議席争いに絡むことすらできない。無党派や地域政党は、選挙のたびに勢力を弱める。

つくづく、都民でなくて良かったと思う。

では、神奈川県議会はどうなんだって思うが、都議会よりはマシじゃないだろうか。

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コメント

都議選は超大事です。昔青島都知事がオウムを解散させました。そうかはフランスドイツなど諸外国でカルト・セクト認定を受けている危険団体です。宗教では有りません・・構成員はトップも幹部も在日・信者も在日・同和で末端は日本人もいますが・・
矢野潤也氏で検索なさるか、「日本よ何処へ」なども参考ブログとしてお勧めです。暴力団Y組などの構成員も9割が在日です・
そしてそうか学会員です。宗教法人が無税なのを利用して覚せい剤で稼いだお金をマネーロンダリングしています・また都議会が、警察への資金の拠出の権利を握っているのです。組織内組織のそうか警察官は5500人いるそうです。名簿は亀井静香氏も持っているそうです。そうかは犯罪者集団です。脱会者や入信していない人を仏敵と称して組織で追い落とすリストラストーカーもしています。規制緩和もありますがこのリストラストーカーで日本人は社会の椅子を追われ自殺者も増加しています。都議会は日本の命運を握っています。

投稿: kikunoka | 2009年7月 3日 (金) 17時43分

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