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2009年1月 7日 (水)

「常設派遣村」として、仮設住宅を提供してはどうか。

年の瀬に首を切られた8万人の派遣労働者は、政治がもたらした経済難民だ。

非正規社員だから、雇用を失っても失業保険が下りない。国民健康保険は、高すぎる保険料を支払いできず、滞納し、医療機関にかかれないし、かかったとしても、自己負担分を支払う能力がない。

失業と病気がきっかけで、生活が破綻し、行き先を失い、路上を彷徨う。

今回の場合、きっかけは世界的な金融危機だし、企業業績の悪化だ。派遣労働が際限なく広がったために、大量の被災者を出した。派遣労働の規制緩和を推し進めたのは、政治の力に他ならない。

ならば、政治災害なのだから、災害のために用意された仮設住宅を提供しても、いいではないか。

阪神淡路大震災では、4万8300戸の仮設住宅が建設された。

全国で8万人分の仮設住宅を提供することなど、容易いではないか。

生活保護を申請するには、屋根がついた場所に居住している必要がある。生活を立て直す拠点として、職探しの拠点として、期限を区切って、仮設住宅を提供すればいい。

貧困の最も基本は、住居だ。誰でも、最低限住む場所を確保しようとする。ホームレスにならないために必死になる。路上生活は、行き着くところまで行き着いた結果でしかない。

ネットカフェやカプセルホテル、個室ビデオ店などは、そこまで落ちる寸前の状態だが、そこをギリギリの状態にしてはならないのだ。

生活保護を受けるのは、容易ではない。福祉事務所の職員は、何とかして生活保護を受けさせまいとする。ひどいと、申請すらさせてくれない。仮に生活保護を受けないという選択肢があったにせよ、住む場所も確保できない事態は、行政の力で避けるべきなのだ。

震災は、いつ、どこに来るか分からない。仮設住宅をある程度分散させれば、いざというとき仮設住宅が足りないことはないだろう。もともと自治体どうしはネットワークがあり、仮設住宅が足りなくても、近隣自治体で融通することができる。

まずは、仮設住宅に入居し、住民票を移動させる。そこで生活保護を申請するなら、すれば良い。定額給付金は、そこで配ればいい。1万2千円しかないが、ハローワークとの往復や企業の面接に向かう交通費くらいにはなるだろう。

雇用は労働局、住居は住宅局、医療は病院、そんな縦割り行政では、「派遣村」問題は解決できない。

今回、日比谷公園に集まった500人は、氷山の一角で、実際には残り7万9500人がどこかで彷徨っている。今も、ネットカフェや個室ビデオ店を根城に職探しを続けている。

彼らが本当に全部、日比谷公園にやってきたら、収拾がつかなくなる。

今の時代、どの役所にも危機管理の部署がある。今回の事態を災害と受け止めれば、雇用がどうだとか、福祉がどうだとか、そもそもセーフティネットとは、なんて難しいことを考える必要はない。

地震や風水害と同じなのだ。

被災者には、仮設住宅を提供し、一定の見舞金を支給し、期限を区切って生活を再建してもらう。普通の行政が普通に行う災害対策だ。

おそらく、この問題は、年越し派遣村という狭いレベルで終わることはない。

現行の派遣労働をどうしていくのか、セーフティネットをどう立て直すのか、総選挙では大きな争点になるだろう。

放置しておけば、今年の年の瀬は、日比谷公園が派遣労働者で埋め尽くされる。政府も行政も、昨年と同じような年の瀬など、二度と迎えたくはないはずだ。

ならば、8万人を是が非でも、年を越す前に生活再建の道を歩ませなければ、先には進まない。でも、8万人が元の生活を取り戻すことができれば、日本経済にとってはこの上ない好材料だと思うが。

仮設住宅を、経済復興の拠点に。

どこかに、そんな大胆な提案ができる首長や政治家はいないものだろうか。

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