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2009年1月 4日 (日)

津波注意報で考える、「自分だけは死なない」という日本人の災害意識

今日は、正月休み最終日。穏やかな陽射しがさす日曜日の午前、ちょうど『笑っていいとも増刊号』が始まってしばらくして、津波注意報が発表された。

場所は、伊豆諸島、小笠原諸島、相模湾・三浦半島、静岡県、愛知県外海、三重県南部、和歌山県、徳島県、高知県。

うちの地元の相模湾・三浦半島の予想は、12時00分に0.5メートルだった。

0.5メートルというとピンとこないが、単純計算でも膝くらいまで届く。

数字で見るより、結構大きな津波なのだが、地震大国・日本の危機意識は、果たしてどうだったのか。

P1000689津波注意報の発表と同時に、市内とあちこちから消防車のサイレンが聞こえてきた。

片瀬東浜では、藤沢市の消防団の方々が警戒に当たっていた。

4日4時44分頃、ニューギニア付近でマグニチュード推定7.5、震源の深さは約30キロの地震が発生した。

この津波は、日本近海で発生する津波ではなく、遠地津波と呼ばれるもの。日本までの距離が長いため、波長が近地津波よりも長くなることが特徴だ。第一波よりも、次に押し寄せる第二波、三波の方が津波の高さが高くなるケースが多い。

ニューギニアで発生する津波は、途中のマラリア海溝を通過後、急激に波の収束が起こり、波高が上昇するという特徴がある。

沿岸にぶつかった波がいろいろな角度で反射するため、湾の外よりも、海面が浅い湾の内部、港近くの方が大きくなるという。

津波の収束まで6時間程度要する。今回の場合、10時頃に発表され、注意報の解除は、15時45分だった。

P1000695 さて、こちらの画像は、津波注意報発表直後の片瀬東浜。

これから津波が来るぞって状態の海岸、しかも、波打ち際の特等席に戯れるバカッ…失礼、カップルを、消防団のおじさまがやんわりと高台に避難するよう促している。

相撲で言えば、土被りみたいな場所だから、津波が来たら、比較的低い波でもやばいかもしれない。

P1000698 こちらは、そうやってバカップ…失礼、カップルを退散させて、ホッとしたところを、まるで何事もないかのように、ずんずんと海に向かって突き進む、バカ親…失礼、仲むつまじき親子である。

ちなみに、津波注意報を知らないってことはあり得ない。この辺は、市の広報車が頻繁に行き交い、消防団の消防車が放送し、さらに防災行政無線がかなりよく聞こえる。

この人たち、分かっていて、わざわざ海に近づいている。

P1000703 たぶん、ここにいる人たちは、未来の「犠牲者」症候群なのだろう。いざ、事が起きたときには、この人たちから優先して犠牲になる。

ちなみに、神奈川県が策定した浸水予測図を見てみると、この砂浜はもちろん、水没。波が高いときは、この時点でオイラが立っている場所も危ないかもしれない。

意外なことに、この辺は市街地がかなり嵩上げされているせいだろうか、砂浜から国道に上がれば、よほどの津波が来ないと、民家のある場所まで津波が入ることはない。危険なのは、川の河口付近で、境川沿いは津波による浸水がかなり奥まで予想されている。

行楽で訪れた人がそこまで詳しく知る必要はないが、せめて、砂浜から高台に上がることくらいは考えないものなのだろうか。

今回は、長い周期だったのが特徴。つまり、津波到達予想時刻を越して、午後に入っても、なかなか注意報は解除されなかった。

P1000707 これは、午後3時くらい。現在もまだ注意報が発令されていることを知らない人がかなり多い。解除されたと勘違いしている人もいる。

そのたび、放送で注意を促すのだが、あまり反応は良くない。

「自分だけは死なない」

そんな自信だろうか。

津波が来ることが分かっている浜辺の、わざわざ波打ち際まで行って、黄昏れる、そんな平和大国・日本の防災意識を改めて考えさせられた。

日本は災害に強い国という評価があるが、そんなの大嘘だと思う。

その証拠に、阪神・淡路大震災では6000人が死んだ。

その後も、何度も大きな地震が日本を襲い、大きな被害を出している。

とりわけ、津波に対する危機意識の低さは、かなり深刻だ。

自分一人で死にに行くならまだしも、子連れが意外に多い。藤沢はまだしも、鎌倉側(腰越海岸)には消防団の方もおらず、放送が流れるだけ。よって、鎌倉側にはたくさん人が砂浜に入って、波打ち際にずらりと並んでいる。

本当に津波が襲ったら、間違いなく死ぬ人々。逃げ切れず我が子を置き去りにする人も、いるのかもしれない。

勝手にしろって言えば、それまでなのだが、他国の津波被害を他人事としていられるのは、いつまでのことなのだろうか。

(関連サイト)

気象庁:2009年1月4日4時44分ころのニューギニア付近の地震について

神奈川県津波浸水予測図

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