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2008年8月12日 (火)

映画『クライマーズハイ』を観た。

とはいえ、もう2週間くらい前のことになる。

死者520人という航空機事故史上最悪の惨事を追った新聞記者たちを描いた秀作だ。

堤真一も、堺雅人も、かっちょいい。

何より、新聞記者が、大きな新聞ではなく、小さな地方新聞ということが、物語を深くしている。

その描写のリアリティは、地方紙の記者という小さな存在と、史上最悪の航空機事故という対比で、ますます深みを増している。

今なら、ネットの発進力が、新聞のそれを大幅に凌駕してしまっている。でも、事故が起きた当時、テレビ・ラジオと新聞だけが、情報の発信源だった。

その中でも、朝日、毎日、読売、東京(中日)、日経、産経といった全国紙と、その系列のテレビ局なら、人海戦術があるし、現地にヘリでひとっ飛びだ。

『クライマーズハイ』の舞台となっているのは、地方新聞だ。しかも、舞台は群馬県。

全国紙やテレビと同じ対象を目指して、取材を競う。そんなの、普通なら勝てるわけがない。

が、おもしろいもので、小さな弱小新聞ほど、上層部は観念論的なプライドばかりバカでかい。ネタは足で稼ぐもの、みたいな。

記者たちは、泥まみれになってかけずり回る。が、そんな現場の記者たちの気持ちを、上層部はさっぱり分かっていない。

記者としては完全に終わってしまった年寄り幹部が、居心地の良いデスクでふんぞり返っている。でかい口ばかりえらそうにたたいて、現場の邪魔ばかりする。

社長は、ただのボケ老人。新聞を立ち上げた頃にはそれなりのプライドも持ち合わせていたが、すでにプライドなのか、妄想なのか、区別すらつかない。

そんな絶望的な組織風土の中で、現場の記者たちが針の穴に糸を通すようにスクープを積み上げていく。

そして、520人が死亡した日航機ジャンボ墜落事故。

史上最悪の航空機事故が、何故起きたのか?

極限状態で真実を追い求める記者。

そんな中で、新入りの若い女性記者が、全国紙もテレビ局もつかんでいない大スクープをつかむ。敵は、他の新聞社ではなく、自分たちの足下。

完全に頭が逝ってしまっている幹部たちの妨害をはねのけ、どうやってスクープを1面トップで抜くのか。

8月12日が今年もやってきた。

今年は、ますます123便の事故関連のニュースが減ったような気がする。

月日が過ぎたから仕方ないといえば、仕方ない。

秋葉原の通り魔事件が、あっという間に映像となってネットに出回る時代だ。小さな弱小新聞社が、いかに泥だらけになって地面を這いずり回ったかなんて、昔話なんだろう。

大新聞は、すっかり分業体制になっていて、1つのものを突き詰めて追うことができる記者が減った。下手をすると、ネットとにらめっこしてネタを探すオタク記者たちが増殖している。例え世紀の大事件が起きて現場を踏んだとしても、次の日には交代要員が来て、別の記者が追うことになる。満足して、1つの事件の真相を追いかけられている記者って、どれだけいるんだろうか。

そう考えると、組織風土が退廃していても、群馬の弱小地方紙のほうがうらやましいと感じる。

あれから、23年、新聞もテレビも未だに、遺族が満足できるような事故原因にたどり着いていない。

(関連サイト)

映画『クライマーズ・ハイ』公式サイト

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コメント

こんばんわ。
心ならずも、秋庭さんを生んだ朝日のカルチャーには相変わらずに、不快感の表明させていただいております。
http://www3.atwiki.jp/619metro/pages/118.html

ところで、今度は今流行のコンビニ売りの漫画で再起を図られるようですが、しかし、ドロワーによほどに安い稿料しか出せなかったんだろうか?すげぇー絵が稚拙。
http://homepage3.nifty.com/norikoakiba/
相変わらず、墨一色の図画は、TOPに上手に揚げられないようです。

投稿: 陸壱玖 | 2008年8月23日 (土) 01時54分

こんにちは。

いやはや、最近秋庭先生、音沙汰がないんで心配しておりました。漫画原作で暗躍しておられたのですね。角川の新作、どうなっちゃったんでしょうね。五角形の築城理論、もっと展開してほしいんですが。

こりゃ、スキャンし甲斐のある本ですね(笑)

この手のオカルトコミックは、若手漫画家の登龍門であったり、売れない漫画家の食いつなぎに使われたりするんだと思います。鳥山明とか高橋留美子とかあだち充とかは、こんなの描かないですからね。

立ち読み天国のコンビニでいったい何部出ているのか知りませんが、原稿料は悲惨なくらい安いんじゃないでしょうか。

さてさて、そろそろ、オイラも準備を始めなければなりませんね。

投稿: mori-chi | 2008年8月24日 (日) 10時40分

あの粗い画見ただけでも相当なもんだと思えるんですが。
登竜門じゃない、売れない作家さんでも無い、タッチは何処ぞの軍ヲタ系だったか?この手のオカルト系余所の国批判コミックだったかで見かけた人のようなんだけど、
トーン使い過ぎだし、年齢的描き別けが出来ていないから、秋庭さんと思しき長髪スーツ(なんかこれの柄もトーンだし)の人、スッゴク怪人ぽいっ(笑
まぁ、背景とか、洋服の柄とか、急ぎでやっつける時にはトーンやインスタントテックスは重宝なんだけど、それだけ描き込んでいないってことだし(使い方の上手な人はいるがこの人は違うな。)。年齢の描き別けは高橋陽一なんか未だに出来ていないから、そんなに大きな問題じゃないけど、まぁ、怪人染み無い程度にはしないと秋庭さんが可哀想で(毛の量は増やしてくれてるみたいだけど)。
隧道の構造とか、構築物の状況、軌道や安全システム、車両の形態なんか、キッチリ描いてくれていると面白いんだけど、あんまり期待できそうもありませんね。

投稿: 陸壱玖 | 2008年8月24日 (日) 23時55分

こんばんは。

たぶん、漫画なのに、秋庭先生が延々としゃべくりたおすんですよ、きっと。で、リアクションする人物が、「えっ」とか「はっ」とかやるだけで。

漫画って正直ですからね、知らないものは表現できないし、知っていることしか描けないし。引っ張り出された漫画家は地下に興味があるわけじゃないだろうから、秋庭先生の妄想を、さらに自分なりに妄想することになって、何だかすんごい絵になっていることでしょう。

今日からコンビニのブックコーナーは目が離せません(笑)

投稿: mori-chi | 2008年8月25日 (月) 00時14分

>「えっ」とか「はっ」とかやるだけで。

MMRですな(笑

ただね、画は怖いんですよ、妄想が実体としてリアルに、(まぁ、この人は画力無いからエエんだけど)小林某氏とか、「日露戦争なんたら」の江川某氏みたいなもんが出来上がっちゃうことが有りますんでね。

投稿: 陸壱玖 | 2008年8月25日 (月) 01時07分

こんにちは。

まあ、あの程度の作画力では描くにも限度があるでしょうね(;^_^A新ネタがあるとは思えないから、これまでの破綻したネタを焼き写すんでしょうね。

漫画だから妄想し放題だからなぁ。ある意味、脅威かも?(笑)

投稿: mori-chi | 2008年8月25日 (月) 11時29分

しかし、秋庭さんコンビニコミックとしては、
「東京地下の謎」
幾らなんでもタイトルがマイナー過ぎる(笑
マーケット首都圏だけじゃん。
企画したこ、アホちゃうか?戦略皆無じゃん。
僕等の所には配本されない可能性もあるな(笑笑

投稿: 陸壱玖 | 2008年8月25日 (月) 22時39分

こんばんは。

うーん、確かに…。オイラんとこなんて鎌倉ですからね、東京の地下の謎なんて知らんぞって(笑)

まあ、帯にすんごい針小棒大なキャッチコピーを貼り付けてくるのかな。

そういえば、秋庭先生が東京の地下しか書けないのは、やはり、都立中央図書館が「東京室」しかないからでしょうね。秋庭理論で言えば、名古屋も大阪もないと成り立たないような気がするんですが。「GHQの地図」は、全国津々浦々あるんですけど(笑)

『玉砕沖縄・隠された地下網の秘密』とか『珍説札幌地下要塞』とか書いてくれたら、案外、オイラは秋庭先生、信じちゃうかも。

投稿: mori-chi | 2008年8月25日 (月) 22時48分

>玉砕沖縄・隠された地下網の秘密 ・・・ 洒落になりません

>珍説 サッポロ地下要塞 ・・・ 荒巻義雄先生にお任せしましょう

都立図書館でも全国各地域の資料渉猟は充分可能です。
ご提示のGHQの地図(笑 だって、都立中央館にありましたが、東京室限定じゃなかったじゃないですか。
私は秋庭さん関係の資料は、高速鉄道略史の様な特別なものを除けば、殆ど大阪府立図書館で確認しました。和書なら大きな図書館大抵のものがそろってますからね。
「東京の都市計画を如何にすべき乎」は神戸の中央図書館で閲覧しましたし。
モチロン都立図書館をはじめ区立図書館の地域史コーナーは本当に精細な文献資料が充実しており秋庭さんの嘘を暴く上で、秋庭さんレベルを超える情報の収集だけでなく、その地域を知ると言う個人的な興味にも大変有益でした。
ただ、秋庭さん絡みで絶対に東京じゃないとってーのは、九段下駅とか、茗荷谷駅の構造を確認するとか当たり前だけど、実調、フィールド・ワークでしょ。
それを秋庭さんはやらないんだから何をか云わんや、宝の持ち腐れ。だからその不真面目さに余計に腹が立つんですよね(笑

投稿: 陸壱玖 | 2008年8月26日 (火) 17時29分

こんばんは。

いや、たぶん東京室にひたすら引き籠もって、端末叩いていたんじゃないかなと。もう、住人のように。

都立中央、今大改修しているんで、秋庭先生の執筆活動に大きな障壁になっていることでしょう。

あ、だから漫画なわけだ(笑)

投稿: mori-chi | 2008年8月26日 (火) 22時53分

「タイトルが違うじゃねえかあ、ゴルラァ~ッ!」
東京地下「迷宮」の謎
だぁ~ッ?
テメエの原作本のタイトルも妄想して公式サイトに張り付けってどう云う事よ・・・?
と思わず呆れたご著書入手劇の一幕。
秋庭さん喜べ少なくとも大阪市内のam-pmには恥の上塗り本配本されてるぞ。
と状況報告。

投稿: 陸壱玖 | 2008年8月28日 (木) 19時45分

こんばんは。

壮大なる入手劇、お疲れさまですm(_ _)m

「迷宮」って(笑)

迷ってるのは秋庭先生だけやん。知らない人を迷わせてるのも秋庭先生やん(爆)

投稿: mori-chi | 2008年8月28日 (木) 20時34分

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