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2008年6月 8日 (日)

これは痛快活劇だ〜『家庭モラル・ハラスメント』(熊谷早智子著、講談社+α新書)を読んだ。

この本は、夫の精神的暴力に苦しむ妻たちのために書かれた本である。

「モラル・ハラスメント」という言葉をご存知だろうか?

精神的な嫌がらせ、虐待、暴力のこと。物理的・身体的なハラスメント、例えば、セクハラやドメスティック・バイオレンスのような、ハッキリ目に見えるわけではないところが、この問題の難しさだ。オイラも、ずいぶん前にこの言葉と出会い、勉強したことがある。

『家庭モラル・ハラスメント』熊谷早智子著、講談社+α新書

夫から妻に対するモラハラを解説した本だが、著者の熊谷さん自体が、夫のモラハラから逃れ、自由を勝ち取った1人でもあり、その経験談を中心に、いかに《モラ夫》から逃れるかを書いている。

夫のモラル・ハラスメントの猛威と敢然と戦い、コントロールから逃れて自由を勝ち取った、いわば、痛快活劇である。

とにかく、この《モラ夫》くんのモラハラぶりが、あまりにもはまりすぎていて、読んでいて、申し訳ないが、笑えてしまった。

いる、いる、こーゆーモラ夫くん(笑)

自分を愛せない男。外面は爽やか青年を演じていて、妻とは結婚するまでは優しい男。それが、同じ屋根の下に住んだ途端豹変する。

この本は、家庭内のことを中心に書かれたものだから、一般社会での《モラ夫》くんがあまり出てこないのだけど、ぽつり、ぽつりと、確かに存在している。

例えば、不機嫌さを態度で示して威圧する男。

具体的に何が不満で、どうして欲しいのか口で説明すればいいのに、ものすごい暗黒のオーラを発散させる。組織の中にこういう人が1人でもいると、周りの「反応する人」がご機嫌を伺い、ビクビクする。

が、不機嫌の原因は、どうでもいいことのほうが多い。

無言の負のオーラは、《モラ夫》くんの最大の武器だが、身近にいる「母親代わり」を使って、特定の相手を威圧してくることもある。

この「母親代わり」ってのがみそで、同性を使って何かを企てることはあまりない。

本でも書かれているが、《モラ夫》の本性は、基本的には、ただのガキだ。それも、幼い頃に「母性」を喪失した、大人のガキであることがほとんどだ。

だから、《モラ夫》が一般社会で行うマヌーバは、「母親代わり」の異性を利用することになる。

これが、職場や学校なら、《モラ夫》くんから逃げることも容易だ。学校なら、期間が過ぎれば卒業だし、職場なら退職すれば良い。

ところが、「家」というのは、特殊な世界だ。

日本の悪い風習で、家族制度には、壊れたものを自動的に修復する能力が備わっている。

まして、離婚なんてことになると、猛烈な修復圧力がかかる。

結果として、熊谷さんのように調停になったり、最悪、裁判に持ち込む、持ち込まれることになることもある。

いずれにせよ、重要なのは、《モラ夫》くんから、いかに離れるか、なのだ。

こいつ、外ではいい男だし、優しい男だから、ややこしい。

とにかく、逃げろ。

それが最優先だと思う。

子どもは、いつでも回収可能だ。もちろん、熊谷さんのように子どもの養育権も含めて勝ち取ることもできる。が、とにかく、まずは離れるのが先だ。

《モラ夫》は、絶対に変わることはない。死ぬまで、他人を殴り、自分を愛せない。

そんな妖怪とつきあう必要などないのだ。

この本を読んで、痛快だった。

オイラは男だし、時折「優しい」と言われるのが恐い。《モラ夫》症候群ではないかと疑ったこともある。が、いつからか、加害者より、被害者タイプだということに気づき始めた。

《モラ夫》くんを、いかにして、やっつけるか。

虐げられている女性にオススメである。

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