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2008年1月 4日 (金)

『ハチミツとクローバー』

子どもの頃、オイラは絵を描くのが大好きだった。

小学校の頃は図画工作、中学校の頃は美術の成績が良くて、漫画を自分で書いたりして、将来は絵を描いて生きていこうと思っていたことがある。

それがどこでどう歪んだのか、中学3年生のとき、突如として美術の成績が落ちた。

理由は簡単で、高校受験を考えると絵なんて描く暇がなくなったからだ。

両親は、芸術系の高校に行くことを認めはしなかった。

でも、絵を描くことをやめてしまったからといって、他の科目の成績が上がるわけでもなかった。

不思議なことだが、オイラが絵を描くことが好きだと思っている人は、ごく一部の友人を除いて、誰もいなかった。

両親も、教師も、節穴だったのだろうか。

オイラは、他人には見えないものが見えた。

幽霊とかUFOではなくて。

例えば、同じドラム缶を写生するにしても、他人とは全然違うものを描いた。

クラスメイトが首を傾げていると、

美術の先生が、

「彼にはこう見えたんだな、きっと」

と言った。

あのとき、美術系の大学に行くことを少しでも考えていれば、今の人生はずいぶん変わっていただろうと思う。

ごく普通の高校に入学して、オイラは行き場を失った。

特に努力する必要もない高校である。大して勉強しなくとも成績は学年で上位だった。それは別にウレシくもなかった。

絵を描くことをやめたオイラは、いつの間にか文字に執着していた。

自分の頭の中に描いたイメージを形にするために、言葉を操ることを覚えた。

だから、オイラは文章を書くのではなく、描いているのだと思っている。

 

年末年始に『ハチミツとクローバー』のアニメ版を全部観た。

コミックとほとんど変わらなかったから、今更ではあるけど、やっぱり泣ける。

オイラはたぶん、竹本くんではなくて、花本先生なんだろうな。

いや、竹本くんと花本先生の中間かもしれない。

少なくともオイラは、花本先生のように1人の人を幸せにはしたことがない。

オイラから離れていく人は、いつも不幸だ。

オイラがちゃんと見送ってあげられた人はいないし、オイラを見送ってくれた人もいない。

人はいつか、自分の夢を追わずに残りの人生を歩むことを自覚させられる。大なり小なり、それは誰もが同じだろう。だから、残りの人生を大切な人にすべて捧げたい、って、そんな花本先生の気持ちが何となく分かるのだ。

欠落した何かを埋めるような人の存在。

何も返さなくていいっていう愛情。

人は、すべてを失っても、自分から死なない限り、いつまでも生き続ける。

突然の事故や病でもない限り、だらだらと生きなければならない。

たった1人でも。

オイラに絵があれば、今この瞬間はどんなだったろう。

いっしょに1つのものを見つめる目があれば、どんなだっただろう。

 

そういえば、幸せにしてるかな。

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