『東京人』2008年2月号が地下鉄開通80周年を特集
『東京人』2月号の特集は、
開通80年 地下鉄がつないだ東京風景
である。
日本初の地下鉄が上野・浅草間を走り始めて80年。当時と今とでは社会が違いすぎるけれど、1本の地下鉄すらなかった東京に細書に地下鉄を走らせる興奮は、想像を超えている。
地下鉄は現在の副都心線が完成してしまうと、新たな建設予定の路線はほとんど残されていない。東京の地下鉄網はほとんど完成されている。それが、何ともつまらない。
今のルートを考え出したのが誰なのか知らないが、真っ白なキャンバスに線をひくのは、どんな気持ちだったんだろうか。
東京はつまらない街になった。
オカルト作家が妄想を書き綴った本が大売れするくらい、今の東京にはロマンがなさすぎるのかもしれない。
ここでもやはり、こいつを特集していた。
「幻の新橋駅ホームに入る」
東京メトロは80周年記念の企画として、幻の新橋駅ホームの一般公開を行った。この特集の筆者は個人としてそれに応募し、当選して、取材する報道陣としても一般公開に参加できる権利を得たのだ。つまり、ライターとして1度入り、次は一般客として再び入るのだ。
ずるいなー。
ちなみにオイラも、締め切りギリギリに応募して、落選した。
報道陣の枠で入るのと、一般客の枠で入るのとでは、やることは同じでも条件が変わる。
報道陣の枠で入ったからには、あくまでビジネスだから、そこで写した写真も、それをもとにした文章も、あくまで取材を認めた媒体に限られることになる。一方、一般客の枠で入れば、こういうブログでも書き放題であるが、たいていの媒体が認められる報道枠と違い、枠が狭い。
なので、報道の枠で入れる人は、できれば一般枠はご遠慮願いたいところだ。
某新聞でも特集していたが、モノクロ写真だったのでよく分からなかったが、カラーで見ると、思った以上にホームが狭い。実際のホーム上に会議室や宿直室などを設けたためらしい。
そう言えば、例の地下のオカルト作家は、当選したのだろうか。
おもしろいなと思ったのは、
「モダン地下都市の開幕。」
戦前、高層ビルの建設とともに、地下食堂が流行ったのだそうだ。
東京駅、丸ビル、海上ビル新館、昭和ビル、八重洲ビル、東京府庁、美松デパート、明治生命・・・
こういった地下空間は、高層ビルの出現と無関係ではないけど、高層階ではなくて地下室というのが、いかにも地下鉄が走り始めた時代らしい。
「駅名の謎」
というのもある。
様々な駅名の謎を取り上げているが、あまり解明されていない。が、例のオカルト作家と比べると、はるかにわかりやすく謎を並べている。
「地下鉄カレイドスコープ」
というコラム集もおもしろかった。
「有楽町線の『連絡線』にロマンスカーが走る」というところで、「初めて準定期便の特急が走ることになった桜田門の連絡線、今年三月以降の路線図や市販の地図ではどう扱われるのであろうか」と書いている。
そう言えば、これまで8・9号連絡線を通る列車は、臨時列車しかなかった。それがいきなり、定期列車ではないが、ロマンスカーが乗り入れるというのだから、ぶったまげる。どうせ新木場まで行くなら、舞浜とかお台場とか行けないのかなんて妄想してみたりして・・・あ、路線が全然違うか。
個人的には、片瀬江ノ島発新木場行きなんて特急が走ったら、しばらく鼻血が止まらないだろう。
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