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2008年1月 2日 (水)

【秋庭系東京地下物語'07《初恋》】(第5話)「GHQが作成した地図」に惚れた恋・その4

年末のボーナスで、ついにスキャナというのを買った。

今まで絵や図を引用しようとすると、デジカメで写していたので、ピントもうまく合っていなかったし、画像が曲がっていた。今回スキャナが導入されたことで、オイラの秋庭先生いぢりもかなりパワーアップしたと思う(笑)

今日は1月2日。

時が経つのは早いもので、来週月曜日になればごく普通の生活に戻ることになる。

現在はすでに日没の時間を過ぎて、外も暗くなってきた。

あっという間に2日間。

オイラの年末年始は、秋庭本いぢりで終わるのか(汗)

ちょっとむなしさも感じた正月三が日である。

いったいAMSが作成する地図とは、どんなものなんだろうか。本当に「正確な地図」として認識できるようなものなのだろうか。

L902b これは、AMSが作成した地図で、L902である。作成年は1946年である。

地下のオカルト作家・秋庭俊先生は、地図に勝手に矢印を入れる人だが、オイラも真似をしてみた(笑)

矢印のところをご覧いただきたい。

“SEIBU RAILROAD”とある。“3'6"GUAGE”ともあり、これが「狭軌」であることが分かる。

欄外の凡例を見ると、路面電車の記号はL774と同じものを使用している。

ちゃんと年代的にも正しい表示なのだが・・・、もう1つ同じ地図の別の箇所を見てもらいたい。

L902 こちらはどうだろうか。

“OMI HIGHWAY”とある。

青海?

もちろん、ここは青梅街道である。

これも、極秘地下鉄の暗号なのだろうか。ここから臨海部の青海まで直線街路がつながっているのだろうか。

「GHQがそのようなことを誤るとは考えられず」

間違いを間違いとして認めないと、オカルトに走らざるを得ない。

つまるところ、AMSの地図は、間違いだらけ。

これが事の真相なのである。

さて、L774に戻ろう。

これが「諜報」を目的とした地図でないことは、欄外の解説からも分かる。

L774rangai2 秋庭先生が『地下網の秘密』(新潮)のP247で引用した地図は、「INDEX  TO ADJOINING SHEETS」から分かるようにたくさんの地図の一部分に過ぎず、「6054 3」である。

試しに国立国会図書館の検索で、「L774」と検索してみるとわかりやすい。全部で781件もヒットする。タイトルはあくまでも「Central Honshu」で、その対象は関東・中部・東海という範囲にわたる。ここに諜報情報を入れようとしたら、大変なことになる。範囲が膨大すぎるのだ。

オイラは、L774がGHQや諜報とは何の関係もないことを確信した。

が、オイラの探索はここで行き詰まった。

『地下網の秘密』(新潮)のP255で引用した同じL774は、このシート図で言えば「6054 2」にあたる。ところが、国立国会図書館にある「6054 2」は地図のバージョンが異なっていたのだ。秋庭先生が引用した「6054 3」のバージョンは、「Edition 4-AMS(AFFE)」だが、「6054 2」は「Edition 1 AMS-1」と「Edition 5-AMS(AFFE)」の2つだった。

そしてL874である。

こちらはL774とは違うシリーズで、国立国会図書館の検索では29件ヒットする。いずれも日本の都市の市街地地図だ。

ヒットした29件の中に東京の地図は入っていなかった。

秋庭先生は、この先、どんな手を使って、他の地図までたどり着いたのであろうか。

アメリカの公文書館に公開請求したのか。

それとも、日本の学者に「取材」して地図を偶然手に入れたのか。

はたまた、別のルートが存在するのか。

国立国会図書館が所蔵する主なAMS作成の地図は以下の通り。

1)世界図・大陸図
・1:1,000,000 1301 (GSGS 4646)  World
・その他1:1,000,000以下の小縮尺  1127,1130,9101  Strategic planning maps ほか
2) 各国・地方地形図
・1:1,000,000 L302 Japan road map (日本・朝鮮半島道路地図)
・1:500,000 L451  Korea road map(朝鮮半島道路地図、北部のみ所蔵)
K462 Arabian Peninsula(アラビア半島、一部のみ所蔵)
      V402 U.S. strategic maps(アメリカ)
・1:250,000 L561 Northern Japan(樺太南部・千島・北海道、1940年代作成)
L571 Central Japan(本州、1940年代作成)
L591 Southern Japan(南西諸島、1940年代作成)
L506 Japan(千島・日本、1950年代作成)
L500 China(中国東部)
L542 Manchuria(旧満州、中国東北部)
L552 Korea(朝鮮半島)
L594 Taiwan(Formosa)(台湾)
L509 Indochina and Thailand(ベトナム・タイ・ラオス・カンボジア)
L522 Mongolia(モンゴル)
N504 Eastern Siberia(シベリア東部)
U502 India and Pakistan(インド・パキスタン・ネパールの一部)
・1:50,000 L765 Hokkaido(北海道)
L773 Northern Honshu(東北・北陸)

L774 Central Honshu(関東・中部・東海)
L775 Southern Honshu(近畿・中国・四国)
L772 Kyushu(九州)
L791 Ryukyu-retto(琉球列島)
L792 Taiwan(Formosa)(台湾)
M704 Bulgaria(ブルガリア)
M705 Rumania(ルーマニア)
M707 Albania(アルバニア)
M709 Yugoslavia(旧ユーゴスラビア)
M751 Poland(ポーランド)
M752 East Prussia(旧東プロイセン、露カリーニングラード州)
M774 Czechoslovakia(旧チェコスロバキア)
M775 Hungary(ハンガリー)
・1:25,000 L873 Northern Honshu, L874 Central Honshu, L875 Southern Honshu,
L872 Kyushu
L074 Central Honshu photo maps(東京・横浜の写真図)
3)都市地図 
・1:12,500  L902 Japan city maps(plans)

ここには書いていないが、L874も検索してみるとヒットする。

詳しく知りたい方は同館の地図室で、所蔵する地図をすべて一覧にしたファイルがあるので、スタッフに尋ねてみてはいかがだろうか。

国立国会図書館にはない地図もあるらしい。

引きこもり作家の秋庭俊先生のことだから、そんなに難しい方法で地図を見つけたわけではないはずだ。まして、地図の性格からして入手ルートを隠さなければならないほどのものではないと思う。

ここでオイラの2007年は終わりを告げた。

しかし、オイラはこれで十分だと思っている。少なくともAMS作成の地図が、「GHQの地図」の正体だったことが分かったし、諜報とは関係ないことも分かった。それだけで秋庭先生の妄想ぶりは十分伺えたと思う。

この先は、2008年への宿題としたい。

(つづく)

秋庭系東京地下物語'07《初恋》

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