2007年12月2日の空@四谷天窓.comfort
湘南に引っ越してきて、人混みが苦手になった。特に狭い部屋にたくさんの人が埋まっていると、
気分は肉風呂
空気が循環するだけの余裕がある部屋で、心おきなくのんびりアコースティックライブを満喫することはできないもんか。
そんなことを痛感した昨夜のライブ
お目当てはもちろん、
はにかみ屋のピアノ弾きさんと、復活のタマネギ頭のボーカルさんが織りなす満たし系ユニット「空」
なのである。
四谷天窓.comfortの扉を開けると、そこはすでに人の海。立つ余裕はあっても、ステージが見えないほどの人混みで、ただただ呆然として外に脱出した。
あかん。死んでしまう。
熱気を逃れ、会場の外へ。しばらく屋外の階段の踊り場でケータイをいぢっていた。
この日は空の他にも素敵なアーティストさんが登場したのだけど、申し訳ない、あの熱気の中に入るテンションがなかった。
空の登場時間となり、意を決して会場へ突入。
壁際の空間を確保して、ライブの開始時間を迎えた。
タマネギ頭さんの最近の得意ネタは、姪っ子さんのこと。
お姉ちゃんに子どもが生まれて、その姪っ子さんとは仲良し。最近は電話でもよくお話をするんだそうだが、電話口でハンバーグですよって自分の晩ご飯を誘ってくれる。
もっとも、相手ははるか彼方に住んでいて、電話越しでは相手が見えないのだけど、姪っ子さんはコードレス電話の前にハンバーグを置いて、
はい、どうぞ
と促してくれるというのだ。
タマネギ頭さんは、受話器の前で仕方なく、
「むしゃむしゃ」
とハンバーグを「食べる」んだそうな。
「この子の目線を私は忘れたくない」
1つ1つの言葉がすべて糧になり、力になるライブ。
そのライブのツボは、やはりはにかみ屋さんのピアノなんだろう。昨晩気づいたのだが、彼女の前には譜面がない。自らの記憶を頼りにピアノを弾いている。彼女の視線の向こうには、譜面ではなく、タマネギ頭さんの一挙手一投足がある。
2人は、目と目を合わせ、ふと微笑することもあるし、タマネギ頭さんがはにかみ屋さんに何か合図を送っていることもある。
この2人の息が合わなければ、空のライブは壊れてしまう。
ライブのリズムをつくっているのは、このピアノなんだと思った。
2人のライブ前の恒例の儀式は、
今日、何着る?
って会話なんだそうな。
「私は、もう、新聞紙でもええやんって思うんです。でも、新聞紙だと皆さんの気が散るやろから・・・」
大切なのは、歌とピアノ。
そのことをちゃんと分かっている2人。
この日、ほとんどのお客様は、トリに登場するいいくぼさおりさん目当てなんだと思う。おそらく9割くらいは。でも、空のライブは、独特の空気が流れている。
きょとん
としているお客様がいる。
彼らはだんだん引き込まれ、タマネギ頭さんの言葉に包まれていく。
終わる頃には、すっかり満たされている。
これだから、彼女たちのライブは、やめられない。
いいくぼさんには悪いが、空のライブが終わると同時に、会場を飛び出した。あの熱気に耐えられそうもない。
帰り道にふと、ドリンクの引き替えをしていないことに気づいた。
ま、いっか。
復活のタマネギ頭で、もう十分酔えたから。
この日は、昼間にランチを食べながらのライブもあった。
渋谷にある7th floorに日本松ひとみちゃんが登場したのだ。
「私は夜のライブより昼間のライブのほうが好きです」
オイラもそう思う。美味しいランチ、まったりした時間、明るい会場・・。
意外に少ないランチタイムライブ。
おとぎ話のような歌を奏でるかと思えば、しっとりと大人の歌も唄える。いや、むしろ思い切ってしっとり系で大人の歌を目指してみてはどうかと思う。
オイラみたいなおじさんでも、じっくりエンドレス再生したくなる歌をさらっと歌い上げる人だ。
今日、帰りに藤沢駅で、珍しくピアノ弾き語りのアーティストが路上ライブをしていた。
ヤカマキコさん
天窓でも歌っている人らしい。
藤沢駅北口のペデストリアンデッキで、鍵盤弾き語りの人に出会ったのは2人目。でもアンプを使わず、
生声
で勝負していたのが好印象だった。
「心にうみを抱く女」
らしい。
ライブ、行ってみるかなー。
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