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2007年12月31日 (月)

【秋庭系東京地下物語'07《初恋》】(第1話)地下鉄南北線東大前駅から始まった恋

2007年も残すところ今日1日となった。皆様、いかがお過ごしだろうか。

地下の都市伝説の権威・秋庭俊先生の著作に出会って、2年くらいが過ぎた。あまりにも痛すぎる秋庭先生にツッコミを入れてきた2年でもあったが、こんなオイラでも最初は秋庭先生の主張する「隠された地下網」が本当に存在するのではないかと信じたものだ。

いや、誰もが一度は、一瞬でも秋庭系信者だった瞬間があったはずなのだ。

それは、科学的根拠は何もない、いわば一目惚れのようなもの。

その瞬間、「証拠」だとか「科学」だとか「ジャーナリズム」なんてのは、どうでも良かったのだと思う。

そう。

それは、“初恋”。

誰もが「隠された地下網の秘密」という甘美な響きに心を奪われ、だからこそ、裏切りを悟った瞬間、恋は怨念へと転化するのである。

2007年は、次の3部作をアップしてきた。

秋庭系東京地下物語2007

秋庭系東京地下物語'07《秘密》

秋庭系東京地下物語'07《隠蔽》

そして、2007年大晦日にお贈りする完結編は、

秋庭系東京地下物語'07《初恋》

オイラはまず、その初恋の地へと足を運ぶ。

秋庭先生自身が新作を出さないので、オイラとしてはネタ不足だし、新たなネタもないのだが、とりあえず2007年の集大成として、オイラが思っていることを淡々と書き綴りたい。

まずはここへ。

Sn380112_2 東京メトロ南北線の東大前駅である。

オイラの秋庭いぢりは、ここから始まった。

オイラの最初の秋庭系ネタ

今回は、ここから始めよう。

東大前駅をめぐる秋庭先生の見解を、本の出版順に追ってみよう。

まずは『帝都東京・地下の謎86』(洋泉社)の「12◆東大のなかの地下鉄出入口」から。

改札を出た後、すぐに地上に出たくても、延々と通路を歩かなければならない。三〇〇メートル近くも歩かないと、地上には出られない構造である。(略)地上に出たところは東大の敷地内である。それはつまり、かつてこの駅から東大まで地下道が続いていたということではないだろうか。(P36)

続いて『大東京の地下99の謎』(二見文庫)の「61 東大の敷地内にある地下鉄出入り口の謎」から。

東大方面の出口は1番だが、こちらは改札から地上出口まで300メートルくらいあるだろう。(略)改札から300メートルも地下を掘り進めてまで、間借りする価値のある出口だろうか。(略)それとも、ここにはもともと東大に通ずる地下道があり、それが利用されたにすぎないのだろうか。(P145)

そして『大東京の地下鉄道99の謎』(二見文庫)の「92 【東大前駅】東大構内への出入口に通じる地下通路の謎」から。

改札の前のエレベーターもホーム同様となれば、地上への出口まで歩くことになる。200メートル以上も地下通路を歩いて出たところは、本郷通りでなく東大の構内。東大に用事がなければ本郷通りに出なければならない。(P199)

数年で通路が100メートルくらい縮んだようだ。

それはともかくとして、この東大前駅、本当に数ある他の駅と比べて地下道が長く、乗客が不便な駅なのだろうか。確かに地下鉄の駅は、バリアフリーという観点からは不利な構造になる宿命を持っている。車いすや足の不自由な方には、上下の移動が最も大変だからだ。でもそれは他の駅も同じはずである。

最初、『帝都東京・地下の謎86』を手に入れて読んだとき、たまたま翌日東大に仕事で出かける用事があった。

まだ信者だったオイラは、地下の秘密に触れようとワクワク、ドキドキしながら、この東大前駅へと降りたったのだ。

ところが、期待は裏切られた。

この体験が、オイラの最初のエントリーへとつながるのである。

2006年1月のことであった。

東京の地下鉄は戦前にすでに作られていたという噂は本当か?

今回、改めて現地を訪れた。

Sn380107 200メートルか、300メートルかなんて、あまり問題ではない。この駅が他の駅と比べて利用者が不便を強いられているかどうかが問題なのだ。

そこで。

オイラは、万歩計を用意した。

駅のホームから出口までは、エレベーターもあればエスカレーターもある。なので、それらを使えば不便ということはないはずだが、あえてオイラは階段もすべて歩いた。

目黒方面から赤羽岩淵方面へ向かう電車の最後尾に乗った。

電車を降りた場所から万歩計を0にリセットする。

Sn380111 この駅、最後尾の車両を降りた目の前が階段になっている。それは最前部も同じで、ホームの両サイドに階段がある構造なのだ。もちろんどちらにもエスカレーターがある。

従って、『地下鉄道99』に書いているように「最前部の車両から降りると、もっと大変」という事実はない。

こんな感じの階段を延々と上がる。これがきつい。そんなやつ、まずいない。

Sn380109 改札口を出ると、右に向かうと東大の敷地内にある出口。いわゆる200メートルとか300メートルとかの地下道が、これのことである。

どうだろうか。突き当たりで改札口に向かって撮影してみた。

遠いだろうか。

ここから出口に向かい階段を上る。もちろんここにも上りのエスカレーターがあるが、オイラは歩いて昇る。

オイラも来年40歳。膝がふるえてくる(笑)

いったい何歩だったのか?

342歩

これだけでは分からない。もう1つ別の駅で歩いて比較してみることにした。

隣の本駒込駅である。

Sn380113 こちらは、ビルの一角が出入口になっている。

ここも最後尾の車両から降りて、階段もすべて歩いて、出口までたどり着いた。

いったい何歩だったのか?

376歩

東大前駅より遠かった。

つまり東大前駅の利便性は、他の駅と大して変わらないってことなのだ。

ついでにもう1つツッコミを。

「東大に用事がなければ本郷通りに出なければならない」と書いてあるが、これは意味不明。この出口は、東大に用事があっても、用事がなくても、いったん本郷通りにしか出ることができない。

何が言いたいのかというと、秋庭先生、現地の取材をまったくしないで、ネットで検索するだけで原稿を書いてしまう、

引きこもりオカルト作家

なのだ。

『地下鉄道99』では、エスカレーターやエレベーターの場所をやけに具体的に知っているように読めるが、おそらく本人は見たことすらないだろう。だって、ホームのエレベーターにはほとんど列なんてできていない。そんなの、現地に行けば分かる。だって、わざわざホームの一番端っこにあるエレベーターにたどり着く前にエスカレーターがあるんだから、それに乗ればいいから。

東京メトロ 電車・駅のご利用案内 東大前駅

おそらく上のページからリンクされている「駅構内案内図」を見て原稿を書いたんだろう。

だから、平気で300メートルを200メートルに縮める。

初恋は、こうしてもろくも崩れ去った。

ところで、このネタにいつもくっついてくる環状3号線の「秘密の地下自動車道」説だが、そのあたりは以下のエントリーを参照していただきたい。

東京の地下鉄は戦前にすでに作られていたという噂は本当か34

この環状3号線の秋庭先生お得意の区間は、実は都が地下化を前提とした計画見直しを調査委託している。新聞でもかなり大きく取り上げられたことがあるので、おそらくそれが現実のものとなれば、秋庭先生的には、「国民に極秘地下道が返された」なんてことになるはずなんだが、当の秋庭先生は知っているのか、知らないのか、自著では触れずじまい。

いや、もしかして、新聞読んでないのかな?

ああ、そっか、リアリティありすぎて、オカルト作家の範疇にないのかも(笑)

(つづく)

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