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2007年10月 8日 (月)

人間はいったいどこから来たのか?

3連休、いかがお過ごしだっただろうか。ブログの更新がないものだから、どこかで死んでいるのではないかと思った方もいるかもしれないが、この3日間、オイラはとにかく、

遊びまくり(爆)

ブログなんてバーチャルな世界にさっぱり興味がわかない日々をおくっていた。

で、昨日の夜は、相模大野にあるラ・シェットというカフェレストランへと向かったのだ。目的は、みっちゃん&usuのツーマンライブなのだ。

そこでusuがMCで話していた話題の1つに、タイトルのようなものがあった。

人間はいったいどこから来たのか?

何でそんな壮大なことを考えているのか知らないが、たまにusuワールドは地球史をてっぺんまで辿りそうな壮大な世界へと誘ってくれる。

で、usu説は?

神様かその類の人がいて、ほんの遊び感覚で人間を創造した。でも神様かその類の人も寿命というのがあって、自分で創造した人間を残したまま命尽きてしまう。で、きっと人間はそのまま放置されて、今、こうしている。

神様の放置プレイ説(笑)

壮大というか、独創性あふれるというか・・・。

オイラは、usuの壮大な疑問に答えられるかどうか分からないが、その逆なら答えに近いものを出せるような気がした。

それは、

人間はいったいどこへ行ってしまうのか?

この逆説のクエスチョンは、実は人類の終点を尋ねているようで、実は始点を尋ねているのと同じなのである。

10月6日土曜日、オイラは日本科学未来館へと向かった。ここでは今、企画展『地下展 UNDERGROUND-空想と科学がもたらす闇の冒険』を開催しているのだ。

この日は、展示だけでなくて、関連イベントとして「地下に残る大量絶滅の記録」と題した講演会が開かれたのだ。

地球上を襲った2つの大量絶滅。1つは「巨大隕石の衝突」。もう1つは「スノーボールアース(全球凍結)」。前者は恐竜を絶滅させたことで有名だよね。後者はオイラも初めて知った。地球がすべて凍結すること。

まず最初の語り手は、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻教授の多田隆治さん。

K−T境界ってのをご存知だろうか。白亜紀と新生代第三紀の境目にあることから、こう呼ばれる。現代から約6500万年前の出来事。1980年、『SCIENCE』誌上に掲載された論文で、新生代第三紀と白亜紀の間にある境界粘土層で、地球表層では存在しないイリジウムが多く見つかり、世界中のK−T境界でイリジウム異常があったことから巨大隕石が衝突したのではないか、っていう説が発表されたのだ。

海洋の表層では、光合成による生物生産が行われ、生物は軽い炭素を海に取り込む。これが「生物ポンプ」という働き。・・・多田教授の話していることの受け売りで、オイラには難しいことはよく分からんのだけどね(笑)

K−T境界では生物ポンプが停止していたことが分かっている。その期間は100万年近い。完全な回復までには300万年かかったそうだ。

次の語り手は、同じ東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻准教授の田近英一さん。

実はオイラたちが生きている時代は、氷河時代。地球上の歴史には、南極や北極に氷がある氷河時代と、そうした氷がいっさい消えてしまう暖かい時代がある。今の時代は十分暖かい気がするけど、間氷期と言われ、約2万年前はもっと寒い氷期だった。どっちもモードが異なるだけで、同じ氷河時代に入っているわけだね。

そんな地球上の歴史で地球すべてが凍り付いた時代があった。それが、原生代にある氷河時代で、今から5億年から25億年くらい大昔のこと。

全球凍結の証拠とされるものが、やはり「地下」から出ている。

例えば、約6億5000万年前の地層を調べると、世界中に氷河堆積物が分布していて、赤道付近からも見つかっているというのだ。この時代も海が表層から1キロ凍結し、やはり生物ポンプは完全に停止していることが分かっている。

理由はどうやら、火山活動が低下し、二酸化炭素濃度が低下、温室効果が激減したためだとか、メタン濃度が低下したなどと言われているらしい。が、田近さんは、「一番知りたいところがまだ分かっていない」とおっしゃっていて、まだ仮説が完全に立証されていないようだ。

地下に眠る地層を掘り起こすことで分かる2つの大量絶滅。

で、最初の話に戻るのだ。

人間はいったいどこに行ってしまうのか?

2つのインパクトは、全然時代が違うけれど、地球上のほとんどの生命が死に絶えたことでは共通している。実はそのたびに新しい生物が進化するきっかけにもなっていることが分かっている。恐竜全盛期がK−Tインパクトで終焉しなければ、おそらく人間の時代は来なかったのではないだろうか。

2つのインパクトは同時に、全然時代が違うけれど、これからの地球の将来に絶対に起こらないという保証がまったくないという意味でも共通している。隕石は降ってくるだろうし、温室効果のバランスが崩れて全球凍結が起きてもおかしくない。ただ、いつなのかは分からないし、たまに勘違いしている人がいるけど、あっという間に生物が死に絶えたわけではないのだ。

多田さんは、巨大隕石のときでも数十万年というスケールで生物が絶滅したと言っていた。

人間は、この2つのインパクトを生き抜けるんだろうか?

悲観的すぎるかもしれないが、オイラは、生き抜く必要はないんじゃないかと思うことがある。だって、生物の進化が新しい段階へと進むときに大いなる人間様が君臨していたら、ジャマでしょうがないでしょ。どこかで人間の文明は死滅する日が来るのだと思う。次の時代に君臨するのは誰か分からないが、それはオイラたちが口を挟んだりジャマしたりすることではないんだろう。

だから、人間はやはり、進化の流れに消えていく運命なのだと思う。

それは逆説的には、オイラたち人間も、どこかで生物の犠牲を踏み越えて、新しい地球上の主役として君臨したことを表している。

人間はどこから来たのか、それはつまり、地球の進化の中から現れ、進化の中へと消えていくってことなんじゃないだろうか。

ところで、本編の『地下展』なんだが。

企画の趣旨がちょっとノスタルジーに過ぎないかい?(笑)

詳しくはぜひ未来館へ足を運んでいただきたいが、頭で考える企画というより感性で受け止める企画って感じがした。

せっかく空想もありっていうなら、地下をネタにした文学を1つ忘れていないかい?

それは、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』

「地上」にいるお釈迦様が、「地下」にいるカンダタに1本の蜘蛛の糸をたらすって話。あれこそ最高の地下文学だと思う。人間の醜さをあれほど表現した小説はない。なんて書くと、カンダタが醜いって思うでしょ。違う。お釈迦様だよ。悪人を1人救うのに、何故か蜘蛛の糸をたらす。ハシゴおろせよ。虫1匹救ったことのある人間なんて腐るほどいるはずなのに、何故かカンダタだけ救う。彼1人しか救うつもりがなかったくせに、大勢の人が上ってきたのを振り落としたカンダタがまるで悪人のような結末。

お前、何様やねん!!!

地獄=地下・・と定義すれば、この『蜘蛛の糸』って欠かせない1作だと思った。

(関連サイト)

日本科学未来館

企画展『地下展 UNDERGROUND-空想と科学がもたらす闇の冒険』

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コメント

地下展ルポ乙です。
私はノスタルジーよりも、スポンサーシップに鼻白む思いが。
展示方法としては兎に角暗い(内容ではなくあくまでも展示方法)。冒頭に闇を感じろとか土圧を感じろ(一寸不正確)と言うような、お題目がある様に地下だから暗いのは解るんだが、展示画像等が暗い、解説文字が小さい。
視力弱者には少し辛いものがありました。
内容的には、従来自分の持ってた地学的知見以外の興味の糸口にはなった気がします。
まぁ、秋庭さんが行った日には、次回作では東京の地下道は四千数百万年前の火山活動による龍脈とか何とやらで自然に形作られていて、それを太田道灌やら江戸幕府やらが木や石組みで支保坑して、軍部が覆工したんだ。位の事は言い出しかねないかと(笑

投稿: 陸壱玖 | 2007年10月 9日 (火) 23時22分

おはようございます(^.^)

秋庭系で考えれば「KT境界は戦前にあったと言われても私は驚かない」とか(当たり前じゃん笑)「ユカタン半島のクレーターと天安門を直線で結ぶと靖国神社を通る。古代の恐竜が地下道を築いていたという可能性は否定できないのだ」とか(長っ笑)

確かに暗くて文字が小さかったです。もちろん演出なんでしょうけど、一通り見終わると目がショボショボしました( ̄~ ̄)ξ

投稿: mori-chi | 2007年10月10日 (水) 07時42分

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