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2007年10月 1日 (月)

秋庭俊先生渾身のオカルト小説『大東京の地下鉄道99の謎』(二見文庫)を読む・その1

同じことを何度もブログで繰り返すのは、結構憂鬱だ。それでも地下のオカルト作家・秋庭俊先生は同じネタを繰り返すのが大の得意なので、それにつきあうとどうしても同じ事の繰り返しになってしまう。

正直、これを検証するだけのテンションがないのだが、これまでの経過もあり、スルーするわけにもいかない。

あまり深入りせず、1つ1つを淡々と突っ込んでいきたい。

PART1 JR東日本「東京地下駅」の謎

1 地下総武線のホームが地下5階の深さに造られた謎

そこでJRの広報に質問をぶつけてみたが、明解な答えは返ってこなかった。(P14)

何をどう質問して、JRはどう答えたのか書こう。明解かどうかは読者が判断することだ。公式見解はこうだが、私はこう思う、これが正しい論理展開の仕方。相手の答えを書きもせずに一笑に付すのは卑怯者のやることだ。

2 地下横須賀線の「東京トンネル」は、100年近く前に造られていた?

駅の下をトンネルが走る例など腐るほどある。

新宿の丸ノ内線、池袋の有楽町線、丸ノ内線、副都心線、目黒の南北線、大井町駅のりんかい線・・・たくさんある。

東京以外では、名古屋の桜通線、札幌の南北線、仙台のJR仙石線・・・たくさんある。

みんな戦前?

3 かつて池袋〜東京地下〜月島を直線で結ぶトンネルがあった?

秋庭先生自身が書いているように、住吉神社は月島駅から300メートルも離れているし、筑土八幡神社は飯田橋駅から500メートルも離れている。なので、仮に護国寺〜筑土八幡神社〜住吉神社と結ぶ直線のトンネルがあったとしても、池袋〜東京地下〜月島のトンネルとはまったく別物である。

筑土八幡神社と飯田橋駅、住吉神社と月島駅と結ぶトンネルがあって、さらに直線のトンネルにつながっていたという説も立てられそうな気もするが、それはそもそも前提が崩れる。だって、地下道は直線で結べると秋庭先生自身が語っているのだから、これらの神社仏閣も、いちいち月島や飯田橋を経由しないで直接直線のトンネルを掘ればいい。

結論。この仮説、意味不明。

4 地下京葉線の東京駅は、かつての都庁建設以前に掘られていた?

完全な論理の飛躍。

京葉線のホームは地下総武線のホームから遠い→東京国際フォーラムは都庁跡地に建てた→丸ノ内線は東京都労働局の庁舎の下を通っていた→京葉線も丸ノ内線も戦後に造られたものではない

まったく説明になっていないでしょ。

遠いホームをわざわざ遠いと解説するだけで、京葉線のトンネルがいつからあったのかは検証していない。すると急に東京国際フォーラムの場所へと話題が飛躍する。さらに東京国際フォーラムとはJRを挟んで反対側にある土地にある東京都労働局の建物の下を丸ノ内線が通っているという話になる。にもかかわらず、ここで急に京葉線が戦前にあったという途方もない結論に至る。

ちなみに建物の下にトンネルを掘ることはいくらでもできる。東京中の地下鉄はみんな建物の下を通っているし、全国のあらゆる地下鉄は建物の下を通らないと成立しない。これこそ地図を見て確認していただければ分かることだ。

もっとも全国のトンネルというトンネルはすべて江戸時代にできたってなら話は別だが。

ところでここで、中央区役所と千代田区役所を結ぶ地下道が登場する。

これも唐突すぎるが、そもそも千代田区と中央区ができたのは戦後のことである。従って、千代田区役所も中央区役所も戦後にできている。なのに、地下道は江戸時代からあったという。

時間軸をまったく無視する秋庭先生の典型例である。

5 東京地下駅から広がる「大東京地下ネットワーク」の謎

東京の地下施設のある場所や地下鉄のルートが白い色で描かれていて興味深い。(P21)

GHQの地図が、地下施設や地下鉄のルートを描いていると思っているのは、秋庭先生ただ一人で、それを秋庭先生自身が実証したことは一度もない。

GHQの地図は極秘地下ルートを表してはいないという考察1

GHQの地図は極秘地下ルートを表してはいないという考察2

PART2 東京メトロ「銀座線」の地下の謎

6 〈渋谷駅〉始発駅がデパートの地上3階にあるのは、なぜ?

前作『大東京の地下99の謎』とまったく違う見解を書いている。間違えたなら訂正すべし。

7 〈表参道駅〉21世紀の地下街「エチカ表参道」の正体とは?

東京で最も古い銀座線のトンネルに新たにスペースを造るのは、コストの問題だけでなく構造的にもありえない話だからだ。(P29)

エチカは「銀座線のトンネル」に新たなスペースをつくったわけではない。銀座線の表参道駅は現在よりも渋谷寄りにあり、現在の表参道駅は半蔵門線と同時に開業している。

てか、この項目、言っていることが意味不明。

8 〈赤坂見附駅〉天井に星座がきらめく地下歩道、実は国道だった!

関東地方建設局東京国道工事、つまり、この地下道は「国道」だったのだ。(P32)

爆笑!!

確かにりんかい日産建設のサイトには、「関東地方建設局(東京国道工事)」と表示している。が、これは略称を書いているだけで、実は、

関東地方建設局東京国道工事事務所

のことである。

地下道は国道ではなく、関東地方建設局東京国道工事事務所が施主となる地下道である。

9 〈赤坂見附駅〉入り口で車を預ける奇妙な「赤坂公共駐車場」の謎

ならば、地下歩道も共同溝だったのかもしれない。(P34)

他人の話はちゃんと聞こう。

商店街振興組合は、こう言っている。

「そこは国道の共同溝工事跡地です。私たちが当時の建設省に提案して実現させました」

工事現場の跡地であって、共同溝の跡地ではない。共同溝をつくるために工事をしたのに、地下道が共同溝の跡地って、意味不明じゃん!

それなら、その共同溝はいつ造られたのだろうか?(P34)

だーかーらー、他人の話はちゃんと聞こう。

工事の跡地と言っている。共同溝は、その工事のときにできたに決まっているでしょ。

10 〈虎ノ門駅〉交差する日比谷線に、なぜ虎ノ門駅がないのか?

虎ノ門〜日比谷〜二重橋〜東京駅〜大手町〜竹橋という地下鉄が、工事が始まっていたという事実はないし、工事が打ち切られたという事実もない。謎はまったくなく、東京市会議事速記録を読むとすべて経過が書いてあるし、おそらく秋庭先生もそれを読んでいて、分かっていながらこういう史実のねつ造をしている。

秋庭先生がいかに史実をねつ造したかの考察

11 〈虎ノ門駅〉改札が4つ、地上出入口が10、多すぎないか?

たしかに2000(平成12)年の乗降客数は1日11万2257人で、末広町駅の5倍強。3路線が集まっている霞ヶ関駅の12万5679人とも大差ない。(P37)

ん?何か問題でも?

末広町の5倍も人が乗り降りするんだもん。出入口は多くないとあふれちゃうでしょ。

12 〈新橋駅〉厚い壁の向こうに“幻の新橋駅ホーム”がある?

ん?

秋庭先生、幻の新橋駅ホームの場所、間違ってません?

それはそうとして、これについては、下記のページを。

地下妄の手記

13 〈京橋駅〉八重洲通りを東西に走る地下鉄計画の痕跡とは?

幽霊が2人登場する。

将来の地下鉄計画に備えてトンネルを構築したというだけのものなんだが、何故か最後は軍部が登場する。支離滅裂で意味不明。

14 〈日本橋駅〉新設ホームの壁の向こうに“謎の地下道”?

台東区役所と港区役所を結んでも、日本橋駅は通らない。秋庭先生の地図は、いったいどこの国の地図なんだろうか。

日本橋駅の新設ホームは、極秘の地下道を利用したと書いているのに、

このホームの壁の向こうにも地下道が隠れているはずである。(P44)

まださらに地下道が隠れているというから、日本橋周辺は隙間無く地下道でぎっちぎちである(笑)

15 〈三越前駅〉唯一、デパートの名前が駅目になったのは、なぜ?

国家機密は?

16 〈神田駅〉異常に低い地下通路の上に何が隠されているのか?

神田駅のホームの上には、変電所がある。従って丸ノ内線が通ることもできないが、政府専用地下鉄が通る余地もない。

17 〈萬世橋駅〉駅が消えたのに、線路がつながっているのは、なぜ?

末広町駅に向かうなら、もう少し手前からゆるやかなカーブを描きながら曲がったほうがスムーズだ。(P50)

てか、銀座線は道路の下を忠実に走っているだけだ。

神田川の川底の下にトンネルを掘るには、橋の改築が完成するあとより同時に行なったほうがやりやすいのではないだろうか?(P50)

いえ、トンネルを先に掘ったのだよ。建設は、萬世橋の掛け替えを行った東京市に委託している。東京市はまず川底に隧道を構築して、その後橋を建設している。

萬世橋駅はこうしてできたって考察

はっきり言って、この項、最後の1ページ分、書いていることが意味不明である。

線路は撤去されず?長く使用できる線路?

日本語で書いてくれ。

てか、秋庭先生本人が主張していた「本線から分かれる分岐」はどこにいったの?

18 〈上野駅〉京成電車の地下路線は銀座線への乗り入れを考えていた?

京成電車が全線の線路幅を変更したのは戦後、都営地下鉄浅草線との直通運転を行ったときである。従って銀座線との乗り入れなど眼中にない。これくらいの史実は、鉄道を研究している人間にとってはイロハのイだよ。秋庭先生、しっかりしてください。

19 〈上野駅〉銀座線と東北新幹線の奇妙な“ウネリ”の謎

その可能性は否定できないのだ。(P55)

秋庭先生が勝手に一人で否定できないと胸をはっても意味がない。何故否定できないのかを書いてくれないと読者はついてこれない。

20 〈浅草駅〉日本初の地下鉄が、なぜ浅草〜上野を走った?

遠回りになるこのルートの決定には「地下山手線」建設を考えていた軍部の力が働いた、とされている。(P57)

「されている」って(笑)

「地下山手線」って何?(笑)

嘘やデタラメでも本になるって、うらやましい限りだ。新聞記者やジャーナリストは、1つの事実を見極めるのに大変な苦労を重ねる。ところが秋庭先生は、ただのひらめきとこじつけ。取材など駅の周りをくるくる散歩するだけで、図書館で文献をあさるくらいのことしかしていない。

こーゆーのを格差っていうんだと思う。

秋庭俊先生渾身のオカルト小説『大東京の地下鉄道99の謎』(二見文庫)を読む

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