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2007年10月 5日 (金)

秋庭俊先生渾身のオカルト小説『大東京の地下鉄道99の謎』(二見文庫)を読む・その5

オイラの部屋からは江ノ電の走る音がする。汽笛が聞こえ、ブレーキがきしむ音がする。

オイラの部屋からは波の音がするってことに今夜気づいた。

部屋からは海は見えない。でも屋上にのぼったら見えそうな気もする。が、屋上にはのぼれない。

でも海の近くなんだなーと実感した夜だったりしちゃったりしたのだ。

PART6 東京メトロ「有楽町線」「半蔵門線」、「都営新宿線」の地下の謎

どうでもいいけど、「半蔵門線」と「都営新宿線」の間にある「、」は何?(爆笑)

70 〈小竹向原駅〉何度も起点駅にされたのち「途中駅」になったのは、なぜ?

まずは放射36号地下街路が池袋からずーっと続いていると思いこんでいる方は、以下のサイトをご覧いただきたい。

書き散らsyndrome「放射36号地下街路探訪」

どうだろうか、小学校の校庭を潜るだけで前後は地上だってことが分かっていただけただろうか。

秋庭先生、この妄想、いつまで続けるの?

71 〈東池袋駅〉この駅は戦後に新たに造られたものではない?

この大通りは「日の出通り」といい、関東大震災の帝都復興事業のひとつとして造られたものである。(P160)

1930(昭和5)年、復興局がまとめた東京都市計画地図では、この通りは存在しない。この地図は帝都復興事業の完成版だが、そこにないということは帝都復興事業ではなかったということだ。つまり秋庭先生の妄想。

路面電車の免許と地下鉄の免許を混同した妄想である。もしも路面電車の免許を地下鉄で使えるなら、今走っている地下鉄のほとんどは免許がいらない。だってほとんどの幹線道路には路面電車が走っていたから、秋庭先生の言うとおりなら、戦後ほとんどの路線は免許なしに地下鉄が敷けたってことになる。そんなことあった?

72 〈護国寺駅〉お寺の名前が駅名になった謎

方向感覚が鈍い人はまるで護国寺の地下に入ったように錯覚してしまいそうなのだ。(P162)

秋庭先生、一度診てもらったほうがいい。

73 〈飯田橋駅〉外堀通りの地下に掘られた巨大トンネルの正体は?

南北線の建設史を何度読んでも、そんな記録は出てこなかった。

74 〈市ヶ谷駅〉地下43メートル「九段〜新宿共同溝」は、どこに隠されている?

靖国通りの地下にある共同溝は、江戸東京博物館で開かれた後藤新平展で、模型と写真で展示されていた。浅い場所にあった。陸軍が共同溝を建設したという記録は存在しない。陸軍が大正通の建設に反対したという事実もない。

75 〈麹町駅〉かつて、ここにも地下鉄が走っていた?

ところが、麹町駅の線路は2時と8時、一般的な2段重ねに比べると、60度ずれた半端な位置に線路があるのだ。(P167)

半端でも何でもないのだ。2本の線路が直線で上下に分かれたとしよう。線路はまっすぐ上下に並ばない。片方は左下、片方は右上ってことになる。つまり2時と8時。麹町駅は、片方を上に上げ、もう片方を下に下げたけど、これまで続いた線路をそのまま上下している。

76 〈永田町駅〉知られざる地下自動車道が駅の上を走っている?

走っていない。有楽町線の3本のトンネルは、両サイドが線路が走る場所、真ん中はホームである。有楽町線の永田町駅は、メガネ式シールド工法なのだ。補助55号線という道路は、有楽町線の真上に整備された地上の道路である。

地下自動車道なんてないぞってエントリー

77 〈桜田門駅〉庭園の地下には戦前の地下鉄の駅が隠されている?

実際行ってみると換気口があるだけで、ときどき地下鉄の走る音が聞こえるが本数は少ない。(P171)

本数は少ない?

だって換気口から聞こえる音は、丸ノ内線の音だよね。「本数は少ない」の?

8・9号連絡線じゃないよ?

秋庭先生、大丈夫?

78 〈桜田門駅〉かつて三宅坂ジャンクションには地下鉄が走っていた?

私は「ここはかつて地下鉄のトンネルだったのではないか?」という思いにとらわれた。(P174)

え、取材の結果として確信したわけじゃないのね?

79 〈月島駅〉新設の地下鉄が旧設の地下鉄の上を走る謎

例えば月島駅は大江戸線が上を走っている。すると大門駅は浅草線が上だから、浅草線が先にできたってことになる。溜池山王駅では千代田線が下で南北線が上、つまり南北線のほうが先になるが、丸ノ内線がその上にあるので南北線より丸ノ内線が古い。飯田橋駅では有楽町線が上で大江戸線や南北線が下だから、有楽町線のほうが古い。

で、結局一番古いのは何線?

80 〈永田町駅〉真上にある南北線のホームに直接行けないのは、なぜ?

こんな不便な駅になっている理由は、有楽町線永田町駅の項で紹介した地下道路が、この駅の上を走っていることにある。(P177)

先ほども書いた通り、補助55号線という道路は地上の道路である。

81 〈半蔵門駅〉千鳥ヶ淵のお濠に地下道が隠されている。

178ページにある断面図をご覧いただきたい。右下に「『新編 千代田区史』より」とある。千代田区史とは、千代田区が編集したものだ。つまり役所の職員が、何故か分からないが区の歴史を書いた冊子に極秘地下道を書いたってことになる。よりにもよって何故そんなマイナーなところに極秘地下道の位置を示したのだろうか。もっと大衆的に普及した地図に書き入れればいいではないか。

しかも、1カ所だけである。ここに表現して何の意味があるのだろうか。極秘地下道の位置を知りたい人は、わざわざ千代田区史を開くのだろうか。

荒唐無稽とはこういうことである。

82 〈神保町駅〉3本の地下鉄が交差する駅は謎だらけ

都営新宿線と東京メトロ半蔵門線が九段下では横に並んでいたのに、神保町では縦に並んだのは、神保町駅の上にある道路の幅員が九段下よりも狭かったからだ。上か下かで新旧を判別できないのは今まで述べた通りである。

ちなみに九段下から神保町までの区間は都交通局が工事をしている。

新宿線と三田線は都営同士で当初から建設予定だった。でも半蔵門線は銀座線のバイパスとして急遽建設が決まった路線だ。なので、神保町駅では都営の2線の下を潜ったわけだ。

83 〈大手町駅〉10年間の工事中断中に完成していた大手町駅の謎

あたかも大手町駅だけが工事を先行させたように読めるが、実際には住民が反対運動で抵抗していた九段下地区以外の場所、つまり九段下から水天宮までの間は、先行して工事を進めていた。だから、大手町駅だけが完成していたわけではない。

84 〈新宿駅〉蜘蛛の巣のように広がる西口地下通路の秘密

JR新宿駅は地下に改札口があり、南口ができるまで地上には改札口がなかった。JRにはたくさんの駅があるが、こんな駅は他にあるのだろうか?(P183)

南口は大昔からあったので、地上に改札口がなかった時代はないと思う。ただ仮にそうだとしても、池袋駅はメトロポリタン口ができるまでは地上に改札口はなかった。

たとえば、都営新宿線新宿駅から新宿中央公園の地下にある地域冷暖房施設につながる地下通路に行ってみるとわかる。(P185)

新宿中央公園に地域冷暖房施設は存在しない。地域冷暖房施設のプラントは、新宿中央公園の南側にある新宿パークタワーの地下にある。

85 〈新宿駅〉都営新宿線と京王線がつながっているのは、どこ?

都営新宿線の乗務員が新宿駅で交替しないで京王線に乗り入れるという事実はない。新宿駅で乗務員は交替する。

京王線新宿〜笹塚間の京王新線を建設したのは営団ではない。

例によってこちらのwikiでご確認を。

地下妄の手記

86 〈市ヶ谷駅〉幻の「大正通り」を都営地下鉄新宿線が実現した?

帝都復興計画にある大正通りに相当する道路は、外濠の東側で途切れる。この辺の話は以前に書いた通りである。陸軍が反対したという事実はない。

87 〈市ヶ谷駅〉かつて陸軍専用の地下鉄が走っていた?

これも、85で紹介したwikiの該当ページをご覧いただきたい。

88 〈小川町駅〉「淡路町駅」の下にあるのに「小川町駅」の謎

丸ノ内線の淡路町駅の出入口は、淡路町の交差点にある。4つの出入口は淡路町の交差点にある4つの角にある。この交差点の前後には都電の淡路町駅があった。ちなみに同じ場所にあるのに駅名が東京メトロと都営地下鉄とで違う例は、御徒町、春日、新宿西口などの例がある。ちなみに東京メトロでも隣接しているのに駅名が違うところもある。

営団(今の東京メトロ)がおかしいといえば、千代田線新御茶ノ水駅の丸ノ内線への乗り換え案内で、御茶ノ水駅ではなく淡路町駅を案内していることだ。(P192)

丸ノ内線の御茶ノ水駅から千代田線の新御茶ノ水駅まで歩いたことある?めっちゃ遠い上に道を間違えるととんでもない大回りをすることになる。

地下でつながっているとはいえ、新御茶ノ水駅から小川町駅まで徒歩で5分、そこから小川町駅のホームを歩いて淡路町駅に行くには8分と、東京メトロのホームページには書いてあるが、実際には10分以上もかかる。(P192)

東京メトロの駅から東京メトロの駅に乗り換えるのに、どうして都営地下鉄の駅のホームを歩かないといけないの?

ありえない。

89 〈溜池山王駅〉戦前の2つの建物をひとつにリフォームした不思議な駅

そのために利用者は、駅のところどころで不思議なものを見たり、体験したりするのである。(P194)

不思議なものを見るそうだ。体験もするそうだ。

よく利用するんだが、オイラにはさっぱり分からない。たぶんオイラには霊感がないんだろうなあ。

90 〈永田町駅〉地下鉄史上最大の冠水事故を招いた謎のトンネル

いつの間にか冠水事故の起きた時期を変更している。秋庭先生は最初にホームページにこのネタを書いたときには、平成5年、1993年だった。今回急に時期を変更して2000年になってしまった。いったいどっちなのか?

最初のネタでは、東京メトロの職員と称する人が証言していたが、今回の本では東京メトロが自ら証言している。

ちなみに2000年7月の時点で国土交通省は存在しないので覚書を結んだというのは何かの間違いである。

などなど、具体的なことは以下のエントリーを参照していただきたい。

東京の地下鉄は戦前にすでに作られていたという噂は本当か12

【秋庭系東京地下物語2007】(第3話)水没した赤坂見附駅の妄想

地下鉄南北線が溜池山王駅まで開業したのは、1997年9月だから、2000年7月に南北線のトンネルに弁慶濠の水を流したら、多くの乗客が溺死する。

91 〈後楽園駅〉地下6階を走る南北線の上に眠る秘密の地下施設

トンネルが深いという事実以外何もないのに8年間、ずっとこの理屈で突っ張ることができる、これって才能だ。

92 〈東大前駅〉東大構内への出入口に通じる地下通路の謎

前作の『大東京の地下99の謎』までは300メートルだったのに、今回100メートル短縮された(笑)

最前部の車両から降りると、もっと大変。
エスカレーターを利用しても地下1階の改札までホームの半分近くを歩かなければならないのだ。(P199-200)

ほとんどの駅はそうなっている。

計画路線の環状3号線を出してきて、「国民の知らない地下道」と豪語する。ご覧の通り、出典は文京区の都市計画図である。計画なのである。道路現況調査に環状3号線があるのは、環状3号線の一部はすでに完成しているからだ。でも、ここにはない。

東大前駅は謎でも何でもないってエントリー

東大前駅は謎でも何でもないってエントリー(画像付)

93 〈王子神谷駅〉南北線の工事はなぜ、この駅から始まったのか?

しかし、なぜ、南北線の工事は目黒からではなく、王子から始まったのだろうか?(P202)

では、なぜ南北線の工事は目黒から始まるべきだと思ったのだろうか?

どっちでもいいじゃん。ただ交通不便地域の解消という位置づけを考えれば、目黒から溜池山王よりも、駒込以北の方が重要だと言える。

ところで、住民の反対で頓挫した西ヶ丘サッカー場に武器弾薬庫があったというなら、神谷堀公園の地下に車庫があって後楽園まで続いていても、武器弾薬は運べないじゃん。

94 〈本郷三丁目駅〉交差点の下に大江戸線の駅が造られた謎

では、どこに造れば正常なの?

95 〈上野御徒町駅〉道路陥落事故の現場には古いトンネルがあった?

当時の建設省はこのことについて記者発表を行っていない。崩落した現場は土砂で埋まっていた。東京市が春日通りに地下鉄を敷設すると発表し、道路工事を行ったという記録は存在しない。当時の東京市はまったく地下鉄を建設できず、工事にも着手できなかった。

御徒町陥落事故の原因は陸軍の地下道という説が秋庭先生の妄想だっていうエントリー

96 〈蔵前駅〉厩橋をよけて地下鉄を走らせているのは、なぜ?

橋を避けて走っているのは大江戸線だけではないってエントリー

97 〈清澄白河駅〉清澄通りが南北軸から傾きつづけているのは、なぜ?

これが本当の話なのかオイラには分からないが、仮に本当だとして、清澄通りの南北が傾いているのは、いけないことなの?別に道路の下を地下鉄が走っていようがいまいが、磁石の方位が変わったのだから、清澄通りは傾いていて当然だ。それをきっちり南北に直す必要はない。誰も困らないでしょ。

98 〈青山一丁目駅〉都営アパートの地下に秘密施設が隠されている?

よーくトンネルを眺めていると、ここに限らず金属のセグメントはあちこちにある。

99 〈都庁前駅〉その昔、ここにも秘密の地下鉄が走っていた?

都庁駅前を光が丘方面に出た大江戸線のトンネルが右に急カーブできないのは、トンネルの右側に地下高圧変電所があるからだ。

以上、駆け足で99の謎を検証してきた。

コメント欄でも書いたが、『大東京の地下99の謎』は事実上の「敗北宣言」だったが、『新説東京地下要塞』文庫版は「逆ギレ」だった。そして今回の本は一言で言えば「開き直り」の1冊と言えるだろう。これまで秋庭先生本人は自らをオカルト作家と評されるのは不快だったが、今回の本ですっかり吹っ切れて、間違えているかどうかは問わない、隠された地下道があるような気がすれば、何でもいいという開き直りで書いていることがよく分かる。

そして、何より実感したのは、秋庭先生が、当ブログをよく読んでいることだ。

赤坂見附駅の水没ネタなど、オイラのブログを読んでいなければ、水没した時期をこっそり変えてネタを存続させるなんて暴挙ができるはずがない。

秋庭先生、ご愛読ありがとうございますm(__)m

秋庭俊先生渾身のオカルト小説『大東京の地下鉄道99の謎』(二見文庫)を読む

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コメント

順調に書き飛ばされた様で(笑
私の方は、「一つ二つは面倒だ束にして燃してしまえ」などと書いたものですから、10月1日から変わった台東区ゴミ収集方法の、ゴミの分別に付いていけず、見ての通りまだ、銀座線の辺りをウロウロしてます。「都営軌道」も完結させなきゃと。
ウーッ!筆が進まん。
3連休午後の便で家に帰らなきゃならないのに部屋の片付けも済んでいません。隣のビル解体が水も掛けずにやってくれるので、粉塵で窓開けられないから、これが進まんのです。何時になったら新幹線に乗れるものやら(萎

投稿: 陸壱玖 | 2007年10月 6日 (土) 08時49分

おはようございます。

はい。ぶっ飛ばしました(爆)

23区では順次廃プラを可燃ごみの区分に変えるんですよね。区によって廃プラの中でも資源になるものと可燃ごみに入れるものと違っていたりして、まめに分別する方は苦労されているようです。要は何でもかんでも燃やせーってことらしいですから、困ったときは可燃に入れるってのがコツのようです。

オイラは朝からたまった洗濯を片付け、部屋と風呂の掃除です。向こうはまだ残暑が厳しいみたいですね。お気をつけてお帰りください。

投稿: mori-chi | 2007年10月 6日 (土) 09時00分

サーマル・リサイクルとか、言うらしいんですが、あのダイオキシン騒ぎは何だったんでしょう。
全国でこの何でも燃しちゃうタイプ処理施設に切り替えが進んでいるのか?最近分別方式の変更があっちこっちであるようで。
我が自宅のある市の市長はこの処理施設の談合事件で捕まっちゃいましたし。
やっと辿り着いた大阪駅は、今日の東京都較べたら、そんなに変わりませんが、西日は相変わらず。この連休、半袖でもまだ大丈夫ですね。

投稿: 陸壱玖 | 2007年10月 6日 (土) 16時27分

長旅&残暑、乙です。

23区は、東京湾の最終処分場をこれ以上増やせないので廃プラを不燃から可燃に切り替えて延命を図る、ごみ発電で収益をあげたいので可燃に廃プラ(石油)を加えて効率良く燃やそう、てことらしいです。

ごみが減ってるのに清掃工場は立派なんでいろいろ大変みたいですね(;^_^A

さて「地下展」の帰り道です。今夜にでもレポ上げます。

投稿: mori-chi | 2007年10月 6日 (土) 17時51分

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