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2007年7月21日 (土)

【緊急特別企画】秋庭俊先生の『新説東京地下要塞』文庫版を解読する(第1回)

地下の都市伝説の権威・秋庭俊先生の新作を待ちわびていたら、ちょうど1年前に発売された講談社の『新説東京地下要塞』が文庫化された。1年前にオイラはこの本を手にとってすぐに自分なりの解読をしてエントリーにあげた。

『新説東京地下要塞-隠された巨大地下ネットワークの真実-』を読む

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ただ当時はまだ秋庭先生の著作を読み始めて間もなかったために、オイラも秋庭式が何たるかがよく分からないまま書いていたし、秋庭ワールドを熟知していなかった。なのでお読みになれば分かるが、オイラ自身の認識が少しずれていたり、明らかに間違っているところがある。

そこで今回は、新たに発売された文庫版をベースに改めて『新説東京地下要塞』を検証してみたいと思う。準備がまったくできていないので細かい部分まで検証することはできないが、秋庭先生の仮説の屋台骨の部分だけでも検証しておきたいと思う。

では。

まず「第一章 サンシャインシティの地下施設」である。

東京拘置所の塀の中には誰もいなかったというのは本当か?

嘘である。

一九五八(昭和三三)年以降、裁判中の容疑者はすべて小菅刑務所に拘置されていたのである。(P27)

詳しくは以下のエントリーを参照していただきたい。

【秋庭系東京地下物語】(第1話)サンシャイン・シティの妄想

1958年5月に巣鴨刑務所の戦犯が全員釈放される。当時は葛飾区の小菅に小菅刑務所と東京拘置所が併設されていた。国はすぐに東京拘置所を《書類上は》巣鴨に移転させるが、巣鴨の拘置所施設が整備されるまでの間、小菅刑務所に併設されていた拘置所施設を「葛飾拘置支所」として被疑者が拘置されていた。巣鴨に東京拘置所の設備が整い、拘置所として機能を始めたのは1958年10月のことになる。従って、東京拘置所が巣鴨にあるながら、裁判中の容疑者が小菅に拘置されていた期間はたった半年である。

ただし巣鴨の東京拘置所は、小菅刑務所が移転し、そこに東京拘置所を置くまでの間の暫定的な措置で、巣鴨の東京拘置所が再開した時点ですでに跡地開発に伴い小菅への移転が閣議決定されている。

秋庭先生はおそらく刑務所と拘置所の設備の違いが分かっていない。秋庭先生はご自身の経験で拘置所の設備はよくご存じのはずだが・・。刑務所の設備に被疑者を拘置することはできない。目的が全然違うから。

地域冷暖房の設備の正確な場所は一般には公表されていないのか。

公表されている。

以下のサイトはサンシャインシティの地下にある地域冷暖房のプラントを運営している会社のホームページである。

池袋地域冷暖房株式会社

このサイトにはプラントが地下3、4階にまたがっていて、サンシャインシティのどの辺に位置するのか、配管はどこまで伸びているのかまで詳細に図で書いてある。

地域冷暖房を敷くには都市計画決定が必要だ。地域冷暖房の都市計画決定は、2000年までは都の事務だったが、それ以降特別区の事務になっている。詳細な設計図を提出して、一般市民も傍聴可能な都市計画審議会に諮らないといけない。極秘に行うことなど不可能である。

冷暖房の供給先は豊島区役所だけではなく、東急ハンズなどサンシャインシティ周辺の様々な施設に供給されている。もちろん公共施設だけではない。

秋庭先生は、地域冷暖房の会社に取材もせずにこの本を書いている。

東京の地下鉄は戦前にすでに作られていたという噂は本当か?22

豊島変電所は国民には極秘の変電所なのか。

国民には極秘ではない。

東京にある高圧変電所の多くが地下にあり、そのほとんどは無人である。サンシャインシティの地下4、5階には豊島変電所があるが、都心の広範囲にわたり電力を供給している重要な変電所である。職員はいないが維持費はオイラたちが払う電気料金で賄われている。ちなみにこの変電所を通っている高圧電線は、高野山別院の地下にある高輪変電所にもつながっている。

秋庭先生はこの本を書いて1年が過ぎたが、まだ一度も東京電力には取材をしていないらしい。取材していないから謎のままである。人見知りが激しいのだろうか。

東京の地下鉄は戦前にすでに作られていたという噂は本当か?17

東京大停電で考える・・・東京の電気はどこから流れてきたのか?

どうして地下にあるのかというと、都心部では変電所用地の確保が難しいこと、変電設備は非常に重いものだからできるだけ強固な地盤の上に置きたいからということらしい。

サンシャインシティの地下5階には広大な道路があるのか?

ない。

あるのは豊島変電所の殺風景な扉だけである。ほんの少し勇気を持てばエレベーターで簡単に下りることができるが、あまりオススメできない。秋庭先生がこの扉を見たのか、それとも下りもしないで妄想を書いているのかは分からない。もしもこの扉を開けて進入したのであれば「テロ対策」以前に不法侵入で捕まる。

サンシャインシティ 禁断のB5(書き散らsyndrome)

(つづく)

伝説のオカルト本『新説東京地下要塞』が文庫化〜著者の秋庭俊先生が「隠された地下網を暴くと逮捕されるぞ!」と読者と関係者を恫喝

【緊急特別企画】秋庭俊先生の『新説東京地下要塞』文庫版を解読する

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(関連サイト)

書き散らsyndrome

地下妄の手記

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コメント

午後の東京室はとても空いていました。入館証番号444ですと。ゲンの悪い。
案の定帰途、新橋二葉橋手前でタクシーに煽られて、違法駐車中のワゴンのミラーに激突。
最近の車は本当に柔らかく出来ている事を実感(笑
さて、本題、三割程度の流し読みですが、笑えたのが、参考文献に「地域冷暖房」尾島俊雄(1994/早稲田大学出版部)が入ったこと。もちろん洞道の図にも、(資料:『地域冷暖房』)だって。
http://www3.atwiki.jp/619metro/pages/43.html

多少なりとも意味が有ったのかな?尾島さんのためにも。
でも、他、ボロボロですね。
相変わらず現物の出て来ない「東京輜輯地図」載ってるし。

投稿: 陸壱玖 | 2007年7月21日 (土) 23時54分

大丈夫ですか?(@_@;)
お気をつけください。秋庭本検証で殉職したら人生もったいないですし。

いろいろと微妙に修正しているところが悲しいですよね。うちも含めてあちこちのサイトをよくお読みになっていることが、今回の新旧対照で分かりました。

投稿: mori-chi | 2007年7月22日 (日) 00時01分

 「まだ死ねない、まだ死ねない」ってワタシャ竹入義勝か(笑
 30年ほど前のギャグだから解らない人はそっとして置いてやって下さい。
 まぁ、入館証番号444でもこんなもんも拾いますんで、

http://www3.atwiki.jp/619metro/pages/44.html

 「新旧対照」の楽しみ、過日(昨日だけど)仰っていた「奥が深い読み方」も含めて、私にはどうも、ニヤニヤと言うより苦笑・哄笑になってしまうようです。ハァ~ッ!

投稿: 陸壱玖 | 2007年7月22日 (日) 01時23分

ご無事で何よりです。今回の検証では、新旧対照も検証の1つとして盛り込もうと思っております。

第2回のエントリーを書いていたらこんな時間になりました。予約投稿機能で明朝10時にアップします。オイラは寝ているでしょうけど・・・。

投稿: mori-chi | 2007年7月22日 (日) 02時19分

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