« ライトアップされた国会にウットリした夕べ | トップページ | バタフライエフェクトな埼京線とりんかい線 »

2007年2月17日 (土)

朝からズブズブに予定が狂っていた金曜日、それでも最後はライブでしめる、の巻

朝、寝坊した時点で、何かが狂い始めてると思ったんだ。その日、午後5時を過ぎても、仕事が終わる気配がしない。正確に言うと、オイラの仕事は終わっていたのだが、全体の仕事が終わっていなかった。38歳ともなると、自分の仕事だけ終えて、はい、さよならーってわけにもいかない。

ふと気づくと、午後8時を回っていた。

今夜は、四谷天窓.comfort谷口深雪ちゃんのライブ。企画は午後7時からスタートしているが、谷口ちゃんは、午後8時過ぎに登場する予定だった。

ああっ、始まっちゃったなー。

気まずい思いで、もう、どうあがいても間に合わないと自覚し、ふと手帳を開けると、そこには今夜のチケット。

あちゃー、買ってるわー。Hさん、うまい商売してるなー。

ま、いっか、顔だけでも出すか。もしかすると、予定を押しているかもしれないし、あの谷口ちゃんのことだから、ゆったり系バラードを次々と繰り出して、のんびりライブを楽しんでいるかもしれない。先日の代々木のライブでは、たった4曲で30分以上唄っていた。

会社を出て、西武新宿線で高田馬場へ。

comfortに到着すると、やはり、谷口ちゃんがすでに唄っていた。すでに残り2曲のみ。

先日のusuライブに引き続き、巌流島モードのライブ参戦である。

さて、谷口ちゃん、ここんとこ、気分が沈んでいて、引きこもり気味だったという。もう耐えられへんと、ある日、午前3時に、大阪のおかんに電話したんだそうな。すると、 「何かあったん?」「いや、何ってわけでもないけど」「何にもないんやったら、こんな時間に電話すんな」「いや、実はな、…」

おかんに悩んでいることを話すと、

「そんなことで悩んでるなら、詩でも書き」

と、バサッと切られたそうな。

「おかんは、27歳のとき、おんなじように悩まへんかったん?」

「今日1日生きるのに必死やったからな。悩んでる暇なかったわ」

谷口ちゃんのおかんは、もう60歳過ぎている。午前3時といえば、相当眠かったろう。そこに、娘が電話をかけてくる。心配やったろうけど、頼りがいのある言葉をかける。それだけで、娘は救われる。

ちょっと、谷口ちゃんが、うやらましい。

歌い手は、幸せ者である。

物書きっていうのは、何か伝えようと思うと、とことん伝えきらないと、それは伝わらない。でも、音楽家の類は、伝えきれないものを伝える武器を持っている。言葉だけではない、音色やリズムがあって、縦横無尽にコントロールできる。その可能性は、おそらく無限大で、あきらめない限り、とどまることを知らない広大な世界なのだろう。

谷口ちゃんは、不器用なタイプだ。いじいじしたり、くじけたり、イライラしたかと思えば、くよくよする。そして、それを隠すことなく、ライブで吐露する。満たしきれない思いをぶつけるかのように、指が鍵盤を打ち鳴らす。あとのアーティストが、このピアノ、調律狂ってる?って思うくらい、がんがん、鍵盤に指を振り下ろす。

そんな、人間臭さが、とても愛おしくて、憎めない。

だから、みんな、谷口ちゃんの歌を聴きに、足を運ぶ。

今夜も。

たぶん、これからも。

帰り際、天窓スタッフのTくんが、窓口からひょいと顔を出して、

「今夜はぜひ、tomomiさんのライブを聴いていただきたかったんですよ」

と声をかけてきた。

残念。彼がオススメというなら、かなり角度の高いアーティストなのだろうけど、今夜は間に合わなかった。今度ひっそりと彼女のライブに顔を出してみよう。

|

« ライトアップされた国会にウットリした夕べ | トップページ | バタフライエフェクトな埼京線とりんかい線 »

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/109926/13936703

この記事へのトラックバック一覧です: 朝からズブズブに予定が狂っていた金曜日、それでも最後はライブでしめる、の巻:

« ライトアップされた国会にウットリした夕べ | トップページ | バタフライエフェクトな埼京線とりんかい線 »