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2007年2月 8日 (木)

【秋庭俊先生応援企画】『帝都東京・隠された地下網の秘密』がトンデモ本って、マジっすか?8

今夜はお休みしようと思ったんだけど、今朝の朝刊におもしろい記事が載っていたので、予定を変えて、いぢってみたい。

今日(2月8日)の朝日新聞朝刊の文化総合面に、「『都市伝説』またぞろ脚光/単行本・TVで人気 DVDヒット」という記事が出ている。

今、20~30代の若者を中心に、都市伝説が注目を集めているという。

お笑いコンビ・ハローバイバイの関暁夫さんが語る都市伝説をまとめた『ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説』(竹書房)は、実売で10万部を突破した。彼のライブは、都市伝説を語るもので、笑いはまったく起きず、客層は、20~30代なのだという。記事は、様々な専門家の意見を聴きながら、今、何故都市伝説が流行しているのかを探っている。

オイラも、『関暁夫の都市伝説』を読んだことがあって、ここにも地下鉄の都市伝説が登場する。ただし、この本は、都市伝説を片っ端から並べただけで、その真偽までは問わない。信じるか信じないかは、読者次第で、はなっからジャーナリストの顔をする秋庭俊先生とは一線を画す内容だ。でも、関さんの都市伝説本が売れる背景と、秋庭本が売れる背景は、おそらく、同じだろう。これはオイラの妄想でしかないが、読者層は、双方とも、20~30代なのだと思う。

おもしろいことに、現代の都市伝説の語り部は、女子高校生や小学生ではないのだ。オイラの子どもの頃、「口裂け女」とか多くの都市伝説を耳にしたが、ほとんどが同じ世代の子どもの口から聞いた。「トイレの花子さん」も、同じだろう。ところが、今の都市伝説は、大の大人が語り部である。しかも、かなりマジで語っていたりする。地下鉄の都市伝説も、おそらく、秋庭本を読んだ大人たちが語り継いでいるものだろう。

「都市伝説」という言葉の起源となったブルンヴァン著『消えるヒッチハイカー』を翻訳した、民俗学者の大月隆寛さんのコメントが印象的だ。

マスメディアを介した「タテマエ」が濃密になった分、「それ以外」への欲望がふくらみ、ウワサやゴシップの広まる環境は整っている。

メディアが発達して情報がまんべんなく流通するようになれば、「真実」がより確かになるのではなく、「真実」とされるタテマエが増殖し、それに比例して「それ以外」も肥大する。都市伝説的なものが宿りやすくなっている部分はあるのでしょう。

朝日新聞が記事を盗用し、関西テレビがデータをねつ造する。何が真実なのか分からなくなった時代に、ネット上には、真偽が不確かな情報が溢れ、人々の心をゆさぶる。真偽よりも、楽しみや興奮が優先される。真実を追い求めるというタテマエを持ったはずのマスコミやマスメディアが自壊していく中で、タテマエは、括弧付きではなく、本当に建前でしかなくなる。マスコミやマスメディアといった報道機関の情報が、「信じるか、信じないかは、あなた次第」という、都市伝説と同じレベルで語られるようになる。

ジャーナリスト・秋庭俊は、そんな時代に現れ、一世を風靡した。

『帝都東京・隠された地下網の秘密』(新潮文庫)の「文庫版あとがき」で、秋庭先生は、こう書いている。

この本が出版される以前、誰がこんな話に耳を傾けただろう。まして、戦前から走っていた地下鉄は、銀座線だけではないなどといえば、まともな人物には取りあってもらえなかったに違いない。私にとって、この本が果たした役割は大きい。

もちろん、今でも私の主張は当局には認められていない。地下鉄関係者がその通りだと証言したわけでもない。だが、この本は多くのメディアに取り上げられ、ほとんどが好意的な扱いだった。(P408)

なぜ、メディアは、秋庭先生の“嘘”を見抜けなかったのだろうか。新潮文庫版の前に出した洋泉社は、発売から4年近くの期間を経て、「トンデモ本」というレッテルをはった。オイラのブログを丹念に読んでいただいている方なら、秋庭本の内容の真偽について、お分かりいただいているかと思う。オイラがブログを始めるはるか前から、ネット上では、特に某巨大掲示板などで真偽が論争となっていた。

結局、メディアは、たった1冊のトンデモ本に無力だったということだ。この現実は、かなりリアルで、生々しい。もしも、大新聞が、「どこどこの連続殺人事件は、怨霊の仕業」と書いたら、かなり怖い。毎日新聞や、週刊エコノミストなどが、無批判に秋庭本を評価する書評を掲載したことは、メディアの自殺のようなものだった。トドメは、新潮社が文庫化するという暴挙だろう。

信じるか、信じないかは、あなた次第。

自称ジャーナリストの書いた本に、こんな一言を付け加えなければならなくなった時代。

オイラは、現代は、活字が自殺をする時代だと感じている。

(つづく)

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コメント

コメント削除基準(3)に該当するかもしれないので、
小さな声で、
と言っても「活字」は小さくなりませんが。
「嘗て、筑紫哲也は『TBSは死んだ』と言って、なお、ゾンビ化したTBSに巣食って生きている。」
「その筑紫の出自たる某新聞社もこの度目出度く、何度目かの昇天を果たされたようだ。」
http://www3.atwiki.jp/619metro/pages/69.html
「活字だけでなく、どうも、総てのメディアが、自殺、ゾンビ化に因る不死性の中に生きているようです。
要するに、身も蓋も恥じも外聞も無い『亡八』の道がジャーナリズムの活きる道なのかも。
それって、最早『紳士が作って、ヤクザが売る』と言う事ではなく、『ヤクザが作って、ヤクザが売る』ってことなのではありますまいか?」

投稿: 陸壱玖 | 2007年2月10日 (土) 01時39分

ども。
素朴な疑問なのですが、朝日新聞が「ジャーナリスト宣言。」を自粛してしまったら、明日から朝日の記者は、いったい何者ということになるのでしょうか。昔から、自分で自分を「ジャーナリスト」と称する人に、ろくなやつはいないと思っていました。朝日が、ジャーナリスト宣言なる自画自賛をしたとき、朝日は終わったなと思ったのです。今回の事件で、やっぱり終わってたんだと再確認しました。
さて、地下の権威であり、「ジャーナリスト」を宣言している某秋庭先生も同じで、やはり、朝日の血をひいた人なのでしょうね。「ジャーナリスト」って、自称しちゃいかんのです。誰かがそう呼ばない限り、その人は、「ライター」でしかないのです。でも、誤解しないでください。多くの「ライター」たちは、まともなジャーナリズムが何か模索しながら、必死にもがいています。真偽を問わずに好き放題書いて、自ら「地下の権威」と悦に浸る秋庭先生には、決して理解できないことでしょうけど。

投稿: mori-chi | 2007年2月10日 (土) 02時01分

そうですね。朝日の失敗は「ジャーナリスト宣言」とか、「ジャーナリズムの原点」とか、自分達に定義できない「言葉」を禊の呪文に持って来た事だと思います。
この会社は、多分、「捏造」、「盗用」、「改竄」を繰り返すでしょう。いや、今も繰り返されているのかもしれません。
何故なら、今回のケースも外部からの指摘であり、内部統制、セルフチェックが機能していないことが見えるし、例えば、あれほどに彼らが批判した「不二家」、の様な社内プロジェクトチームによる不適切行為の全社的な洗い出しすら、行っているとの表象がありませんから。
朝日の記者が明日から(正確には2月1日以降)何者になるのかとの素朴な疑問とのことですが、私は、こう思いますね。
「とっても恥ずかしい朝日新聞」の記者。
あっ、念のために言っときますが、一般化されるような差別的意図は無いですよ。だから、他の人達も、
「とっても恥ずかしい朝日新聞」の社主。「とっても恥ずかしい朝日新聞」の取締役。「とっても恥ずかしい朝日新聞」の紙面オンブズパーソン。エトセトラ、エトセトラ。
凄いですねぇ、こんなに言われると社員でも「朝日新聞」と縁を切りたくなりますね。でも、朝日(他メディアも同様)の紙面で俎上に上った人々や企業、皆そう言われて来たんじゃないんでしょうか?罪業や毀誉はそれぞれにあったにしろ。
しかし、「朝日新聞」は廉恥より、糊口を選択したんでしょう。秋庭系の皆様と同様に。
その結果が、「ジャーナリスト宣言」広告の自粛。つまり、田中康夫・亀井静香対談捏造記事以前に戻ったと言う事なんでしょうね。行くは「亡八(ワンパー)」の冥府魔道。

・・・あらっ、そうすると私は、「とっても恥ずかしい朝日新聞」の購読者(笑

投稿: 陸壱玖 | 2007年2月11日 (日) 01時28分

朝日新聞は、20代の頃に読んでいました。憧れというか、ステータスというか。何年かして、他の新聞と大して変わらないと思い、やめてしまいました。
朝日の記者の皆さんは、ぜひ、「サラリーマン宣言。」をしてほしいです。それなら、上の方針に従っただけと、開き直って仕事ができます。コツコツとサラリーマンを続けていれば、いつの日か、誰かが、一記者として、「ジャーナリスト」と呼称してくれる日が来るかもしれません。
オイラは、そのほうが、「ジャーナリスト宣言」よりは、はるかに健全だと思います。

投稿: mori-chi | 2007年2月11日 (日) 01時46分

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