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2006年12月 8日 (金)

『大東京の地下99の謎』(秋庭俊著、二見文庫)を読む2

時折、言及せずに飛ばす項目もあるが、それは正しいという意味ではなく、めんどくさいから、ということである。

では、『大東京の地下99の謎』からである。

PART2 「山手・中央線周辺」地下の謎

23 御徒町駅北口の道路陥没事故は新旧地下空間が原因?

単に爆発だけでは15メートルも道路の真下に崩落するはずがない。そこに大きな空間、つまりトンネルがあったからではないのか。(P65)

うん。だから、東北新幹線のトンネルがあったんじゃん。

問題の御徒町駅の北口には3本のラインが集まっている。(P65)

図がアバウトすぎてよく分からない。オイラには2本しか見えないが。

24 東京駅の知られざる「赤レンガの地下通路」とは?

私は、東京駅開業よりずっと以前から存在する「知られざる」地下通路だと思う。(P67)

こういうのを、「唐突」というのだ。

27 関東大震災が大都市復興計画を「地下」にすり替えた?

当時としては破格の予算規模だったことや、従来の道路と道筋が変わることなどを理由に、多くの反対にあっている。(P72)

これは誤解。帝都復興事業が議会の反発をくらったのは、2つの理由がある。1つは、後藤新平にもともと政敵が多かったこと。2つは、区画整理事業は地主から土地をタダ取りすることだという誤解があったこと。詳しくは、以下の記事にある。

帝都復興事業の困難と成果はこれだって記事

大都市復興計画は頓挫することになる。(P74)

これも誤解。帝都復興事業は、未だ世界の大都市で類を見ないほどの大規模な区画整理事業を成功させる。東京では、それ以来、大都市改造が成功したことは、戦後も含めてない。詳しくは、上の記事を。

28 二種類の地図の地下表記に違いを発見!

ツメが甘い。ポイントは、丸ノ内線の路線が間違った表記になったのは、千代田線が開通したあとに改訂された地図なのか、それとも丸ノ内線が開通したあとに改訂された地図なのか。どちらかによって、意味はまったく違ってくる。

29 敵国に正確な情報を与えないための「地図の改描」

で、地下の謎は?

30 GHQ占領時の「立入禁止地域」と地下情報の謎

万が一のことを考え、皇居に通じる地下ルートがあれば、その出入り口周辺はたちどころに「立入禁止」にしたに違いない。(P81)

地下ルートがあれば、ね。

ちなみに、皆さんは、東京が空襲で焼け野原だというのに、GHQが接収した建物がなぜしっかり建っていたのか、疑問に思ったことはないだろうか。米軍は、空襲するとき、あとで接収して使えそうな建物の目星をつけていたのである。逆に、庶民が暮らしている地域なんて接収する必要がないから、好き放題焼いたわけである。地下とは関係ない。

31 GHQの地図「インテリジェントレポート」の謎

32 GHQの地図に秘められた「アベニューX」の謎

この2つは、下記の記事で詳しく述べている。

GHQの地図と、隠された地下網は関係なさそうだって記事

33 大江戸線工事で、なぜ「厩橋」を避けたのか?

大江戸線だけが橋を避けているわけではないっていう記事

34 住民に気づかれずに掘れる「シールド工法」

シールド工法のすごいところって、住民に気づかれないこと?

36 「明治通り」「昭和通り」があるのに、「大正通り」がない理由

名前が変更されたという話と、大正通りという道路本体の計画がどうなったという話がごちゃごちゃになっている。

39 新宿中央公園の地下に、超巨大な空調施設が!

そんなものない。新宿副都心にある地域冷暖房施設のプラントは、新宿中央公園の南側にあるパークタワーに隣接した東京ガスの建物の地下にある。都市計画公園の下には、変電所をつくることはできても、地域冷暖房施設をつくることはできない。ちなみに、情報管理など行われていない。

地域冷暖房施設がいかにメジャーな存在なのかって記事

40 戦前の新宿地下計画と大江戸線ルートの奇妙な符合

それなのに、あえて市街地の下を突っ切った理由には、おそらくすでにあった「地下トンネル」を利用したからではなかったのか。(P101)

違う。市街地の下を通らず、道路に合流しようとすると、そこには地下変電所があって、激突してしまうから。

41 池袋駅と周辺の地下には「謎」がいっぱい

少なくとも、これを読む限り、謎なのは、池袋ではなく、この地図である。

42 「口外してはならない」サンシャインシティの謎

前回も書いたが、これは謎でも何でもない。

サンシャインシティの地下には変電所があることは公式の記録にあるって記事

ちなみに、法的に守秘義務があるのは、公務員のみである。サンシャインシティは、入居している会社のことを公明正大にしゃべりはしない。東京電力に直接聞くべきことで、サンシャインビルの周りを半年もウロウロしていても、謎が解けることはありえない。

43 「本土決戦」と「地下駐車場」のフシギな関係とは?

信号も少なく、目的地に着いたら路上駐車するのがあたりまえ(P107)

埼玉や千葉じゃないんだから…。

44 北区の公園地下によこたわる巨大地下鉄車両基地

営団地下鉄南北線は、砲兵本廠のあった後楽園と、武器倉庫が並んでいた西ヶ丘サッカー場を結ぶ計画だった。(P109)

神谷堀公園の地下の車両基地の話が、いつの間にか西ヶ丘サッカー場の話にすりかわっている。

45 高輪の寺の地下36メートルに巨大な「変電所」

これもそうだが、寺に取材しても意味ないから、東京電力に取材してくれ。寺はあくまで場所を提供しているだけ。オイラのアパートの家主が、住人のオイラのプライバシーを他人にペラペラ話していたら、怖いでしょ。

46 東京駅には戦前から秘密の地下鉄線路が走っていた!?

こうした中途半端な数字が出てくるのは、いったい何を意味しているのだろうか。(P113-114)

読者は、すべて秋庭さんのファンではない。秋庭さんの本を読んでいないと分からないような解説をしても、「そんな唐突な…」としか思えないよ。カーブの単位が中途半端だと、なぜ戦前にあったことになるの?


(関連記事)

東京の地下鉄は戦前にすでに作られていたという噂は本当か?

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『新説東京地下要塞-隠された巨大地下ネットワークの真実-』を読む

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『写真と地図で読む!帝都東京・地下の秘密』(洋泉社MOOK)を読んでみた。

『大東京の地下99の謎』(秋庭俊著、二見文庫)を読む

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