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2006年12月29日 (金)

2006年を振り返る【秋庭系地下ネタ編】

昨夜は仕事納め。もう正月明けまで仕事のことを忘れて、だらしない年末年始を過ごそうとしたのもつかの間、朝一番で仕事先から電話が入り、たたき起こされた。正月明けの仕事の予定が狂った。午前中かけて、会社の関係者と調整。8日出勤の予定が、4日出勤と大幅に前倒しになった。

オイラの2007年は、ついていないらしい。

さて、今年を振り返る第1弾。今年を語るのに欠かせないのは、秋庭俊先生の一連の著作である。1年間で、何と44本の記事。それだけ、よくネタが尽きなかったものである。

東京の地下鉄は戦前にすでに作られていたという噂は本当か?

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『新説東京地下要塞-隠された巨大地下ネットワークの真実-』を読む

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『写真と地図で読む!帝都東京・地下の秘密』(洋泉社MOOK)を読んでみた。

『大東京の地下99の謎』(秋庭俊著、二見文庫)を読む

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最初は、読書感想文みたいなものだった。が、第1回目の記事を投稿したあと、オイラのブログの検索キーワードに、「地下」「秋庭」「東京」という検索が大幅に増えた。アクセス数も徐々に増えてきた。これはもしかしてと、2回、3回と続けてみた。やはり、アクセス数はダントツに増えた。

おそらく、全体のアクセス数の8割くらいは、この地下関連のネタを読みに来ているのだと思う。

結論から言うと、秋庭さんの著作の論拠は、あまりにも弱すぎた。

何度も繰り返したことではあるが、オイラは、秋庭さんが言っているような、国民に隠された地下網のようなものが、まったくガセネタだとは思っていない。

でも、秋庭さんのアプローチでは、真実へは一歩も近づくどころか、いじればいじるほど、真実は遠ざかり、オカルトの世界へと埋没する。今では、秋庭さんが一言でも著作で触れるか、サイトで言及しようものなら、その瞬間、そのネタはオカルト扱いになる。

そんなわけで、秋庭さんには、少し黙ってらしたほうがいいのではないかと助言したい。

読んでらっしゃらない方のために、少し秋庭さんの著作を紹介しておこう。←今さらかいな(笑)

すべてはここから始まっている。丸ノ内線のルートを偽っている地図。丸ノ内線と千代田線は、交差しているのか、いないのか。その、そもそもの問題提起からツメが甘かった。国土地理院の原図は、何年かに1回、改訂をしているはずだ。どこの時点で、丸ノ内線のルートを「改描」したのか。丸ノ内線と千代田線が交差した後なら、「交差させたくなかった」という結論も導き出されるが、丸ノ内線が出来たときにすでにルートが誤っているなら、そのようなルートで描く理由がどこかにあるはずだ。ここを明らかにしないと、この謎は、解き明かすスータト地点には立てない。

そして、その次。丸ノ内線の四谷・赤坂見附間のカーブがヤード法で計算されているという事実。秋庭さんは、戦前に作られた証拠としており、「東京の地下鉄は戦前から作られていた」という仮説を立てるスタート地点である。ここもツメが甘い。第1に、戦前に設計されたことを証明することはできても、戦前に建設されたことを証明することはできない。第2に、仮に戦前に建設されているとしても、逆に言えば、これ以外のカーブは戦後に建設されていることの証拠となってしまう。

すべては、ここから秋庭さんのアプローチは失敗し、仮説が破綻したという本である。

第1弾が大売れして、図に乗って出してしまった第2弾の文庫版。

前述したように、最初の段階で仮説が破綻しているので、当然第2弾は、破綻した仮説を土台にして、新たな仮説を組むことになる。江戸時代の秘密の地下網が、現代の地下鉄のトンネルにつながっているという結論に至る。前回、「改描」の定義も間違えてしまい、江戸の地図は「改描」されているという誤りも犯してしまう。「1-8計画」なる仮説も最後に展開しているが、これっきり2度と秋庭さんの口から、この言葉を聞くことはなかった。

上記の2つの著作のネタに、写真を合わせたようなムック。が、新たなネタの提示はない。「写真と地図で読む」とあるが、国民に隠された地下網の写真は、どこにもない。

オイラが買った最初の本は、これである。とにかく、初めて読む人は、ワクワク、ドキドキする。が、地下鉄南北線東大前駅に300メートルにも及ぶ地下道があると書いてあって、ちょうどその頃、オイラは東大に行く用があり、その駅を使ったら、そんなものがなかった。それで、ぼう然とした。もしやと思い、その他の部分も自分なりに検証したら、仮説が間違っていることが分かった。

あとがきにある「もう秋庭さんとは遊ばないことにしよう」「お気をつけて」…この言葉の意味、秋庭さんが真実に近づいているという意味ではなく、あなたはジャーナリストがいてはいけないオカルトの世界にいる、という警告だったんだと思うが、いかがなものだろうか。

公式に実在している地下変電所を、「国民には極秘」と、あくまで言い張った頑固な本。この本が決定的に欠如していることがある。それは、豊島変電所を管理する東京電力自身が、公式コメントとして、「豊島変電所のことは口外してはならないことになっている」もしくは、「豊島変電所など存在しない」と言わせていないところである。言わせられないのは、この変電所が秘密でも何でもないからに他ならないが、せめて見学させろと申込みをして断られるくらいの場面は欲しいところだ。

ところで、変電所には立ち入ってはならない。危ないとか、国民に秘密とかではなく、変電所であろうがなかろうが、一般的に私有地は立ち入り禁止である。それは、政府の陰謀とは何の関係もないし、一般市民のごく一般的な常識である。オイラの家に、知らない人が立ち入ったら、容赦なく、警察に通報する。

秋庭さん本人が書いているのは、最後の章だけ。残りは、複数のライターが手がけている。なるほど、秋庭さんが書いた箇所を除くと、案外読める内容である。丸の内の地下駐車場が、戦前は地下鉄の駅だったという結論は、抱腹絶倒である。

そして、これが最新作。さすがに秋庭さんが哀れに思えてくる。こうまでしないと、食っていけないのだろうか。ライターとして生活を支えることは、簡単なことではないと思う。論として破綻していたとしても、今さら引き下がるわけにもいかない。その事情は分からないでもないが、誤りは誤りとしていったん撤退する勇気も持っていただきたいものである。

さて、オイラは、とりあえず、この記事をもって、地下ネタをいったん卒業しようと思う。秋庭さんが再び著作を出すようなら、オイラもすぐに買い、再びいじりたいが、そろそろ飽きてきたというのが正直なところだ。

ああっ、そう言えば、書こうと思って、書くのを忘れていたことがある。サンシャインシティの地下5階には、何があるのかって話。それは…。

あ、もう、長くなり過ぎてしまったなー。

皆さん、もう地下5階には降りただろうか。「広大な道路」なんて、なかったよね。その辺は、ぜひ皆さんで解明してみていただきたい。オイラのほうは、「いろいろ、あるんだよ」とでも言うよりほかない。

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コメント

もり。様こんにちは。天涯です。トラックバックありがとうございます。感激しております。
もう地下ネタから卒業されるとのこと。一抹のさみしさを感じずにはいられませんが、今までのわかりやすくて示唆に富んだ内容から、いろいろ勉強させていただきました。ありがとうございました。
もちろん、これからも「そらめきに」寄らせていただきます。このご縁もひとえに秋葉さんのおかげ、ということですね(笑

投稿: 天涯 | 2007年1月10日 (水) 14時14分

ども。

そうなんです。卒業しようかと。

でも、思うんですが、医学部の卒業生が、医者になるのをやめてしまうわけではありません。考えてみれば、野球だって、学校を卒業すれば、アマからプロになるわけですよね。

まあ、そんな戯言を書いておくと、おそらくここを読んでらっしゃる秋庭さんの引きつった顔が目に浮かんで、それはそれで楽しいなと思う今日この頃です。

投稿: mori-chi | 2007年1月10日 (水) 23時57分

こんばんわ。天涯です。サンシャインシティ地下5階のネタのTB送らせていただきましたが、申し訳ありません。3回も重複してしまいました。未熟者で恐縮です。お手数ですが、余分なTBを削除お願いします。

しかし、秋庭さんって、確信犯なんですかね。それとも本当にわかんなくなっちゃってるんですかね・・・。

投稿: 天涯 | 2007年1月13日 (土) 01時00分

これは、オイラの妄想ですが、少なくとも現在の段階では、自分の主張の間違いを認識しているはずです。新しい書籍の文章を読むと、それを感じます。気づいているけど、引っ込みがつかないというのが現状ではないでしょうか。

フリーライターとして食っていくのは、かなり大変なんです。家族を食わしていかないといけない。今さら間違いを認めて、ライター生命を奪われては、家族が路頭に迷う。秋庭さんも、ジャーナリスト以前に、人間ということなのでは…。

秋庭さんにとって想定外だったのは、『地下網』が発売された当時には考えられないほど、Webが普及して、htmlの知識がなくても、ブログや掲示板を通じて、誰でも情報を発信できるようになったということでしょう。

つまり、嘘はすぐバレる、ということです。

投稿: mori-chi | 2007年1月13日 (土) 10時22分

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