« DVD『堀下さゆりツアー~君と笑った~ファイナル』(BabeStar) | トップページ | 私は納豆が大好きだ »

2005年8月24日 (水)

母の借金・父の借金

D1000046例によって、子どもの頃に両親から虐待を受けるなどトラウマを持っている方は、読まないで避けて通っていただいた方がよいかもしれない。

母から突然、「香港に行こう」と連絡があったのは、大学1年生のときだった。年末年始、両親と私は、何の脈略もなく香港に向かった。外国の航空会社のファーストクラスだった。あらかじめ書いておくが、私の家庭は裕福ではない。子どもの頃のおこづかいは、1か月100円だった。高校に入って若干余裕は出てきたが、働いても働いても、赤字が出るばかりの、典型的な零細事業者だった。成田・香港間、ファーストクラスならかなり高かっただろう。母に聞くと、「大丈夫。向こうで航空券を買えば安いから」と答えた。空港には、豪華ホテルまでのロールスロイスのお出迎えがあった。母は、ロールスロイスに乗り込むと、手慣れた調子でお手ふきを取り出した。「この間も来た」と言った。香港では、妙な日本人に連れられて、あちこちの高層マンションを紹介された。その中の1室に、私の両親の所有する部屋があり、イギリスの高級官僚が借りている、という話を聞いた。香港には、両親のペーパーカンパニーがあるらしい。まさに豪遊だった。

そんなバブリーな香港旅行は、2、3回続いた。母は、東京にもマンションを持っていると話してくれた。飛ぶ鳥を落とす勢いだった。

世の中は、すでにバブルが崩壊し、地価は下がり続けていた。

そんな生活は長くは続かず、ある日、母から電話がかかってきた。「金を貸して欲しい」・・・・香港の豪遊の記憶が鮮明だっただけに、愕然とした。が、母は必死にその場を取り繕おうとして、「すぐにお金が入る予定だ」とか「たまたま足りないだけ」と言い訳した。私は、上京するために溜めた50万円を貸した。

私が上京して就職してから、我が家の家計はますます破綻してきた。ついに両親は、実家の家と土地を売り払い、名古屋にあったマンションに移り住んだ。が、それも長くは続かず、東京のマンションも、住んでいる家も何もかも売り払った。実家を売り払った頃から、母は、ネットビジネスの虜になっていた。突然東京に電話をかけてきて、「エステの機械を買うので、名義を貸して欲しい」と、訳の分からないことを言っていた。

ようやく私は、両親が狂っていることに気づいた。

4年ほど前、会社に突然、消費者金融会社から電話がかかってきた。驚いて実家に電話すると、家の電話は止められていた。消費者金融と言っても、メジャーなところではなく、どこの何者かも分からない東京のまちきんだった。

それから数ヶ月後、母が上京して、いきなり「あなたの名義でマンションを買って欲しい」と言い出した。めちゃめちゃな話だった。私の名義で両親の住むマンションを買い、支払いは両親がするという。めちゃくちゃだと分からない人がいたら、やばいぞ(笑) 消費者金融からの電話の件を話すと、「知らない」と言い張った。もちろん、やばい話は丁重に断った。いったい、マンションなど買わせて何をしようとしていたのか、不明である。

それから、さらに数ヶ月が過ぎた後、ある日、会社に、ドスの強い声の男から電話がかかった。明らかに闇金からの電話だった。最初は母名義の借金の話だった。そのうち1か月もたたないうちに、父名義の借金の話が出てきた。母からも電話があった。「弁護士に話はしてあるから」と、訳の分からない説明だけされて、一方的に切られた。闇金からは私の家にまで電話があったので、私は、家とケータイの電話番号を変えた。両親にも教えなかった。

2年ほど過ぎたある日、母から、ネットビジネスの勧誘の手紙が入った。お金が入ってくるという証拠だろうか、郵便貯金の通帳のコピーが同封してあった。が、コピーを見れば見るほど、怪しげな収入と怪しげな支出の痕跡があって、気持ち悪い、という印象以外は何もなかった。知り合いに手紙を見せてみた。「大変失礼なことかもしれませんが、お母さん、病気か何かですか」・・・・・そうかもしれないと思った。

両親は、今も生きているらしい。

|

« DVD『堀下さゆりツアー~君と笑った~ファイナル』(BabeStar) | トップページ | 私は納豆が大好きだ »

心と体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/109926/5621741

この記事へのトラックバック一覧です: 母の借金・父の借金:

« DVD『堀下さゆりツアー~君と笑った~ファイナル』(BabeStar) | トップページ | 私は納豆が大好きだ »