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2005年7月 1日 (金)

アルコールから解放されて

D1000118最後にお酒を飲んでから、すでに1年7か月が過ぎた。周りの人間は、「お酒を飲んでいない君なんて考えられない」とか「よく飲まずにいられるね」などと言われる。お酒をやめてしばらくのうち、処方箋で断酒薬をもらっていたが、真面目に飲んでいたのは最初の数週間だけで、それでも主治医は、「“お守り”と思って出しておくよ」と出し続けた。断酒会に通うよう薦められたが、抵抗感が払拭できないで、ついに顔も出さないまま、ここまで至った。

断酒の期間が長くなるにつれ、なぜ断酒しているのか、分からなくなることが多い。私には、壊す家族もないし、酒なしで生きていくほど幸せでもない。お酒を飲んでいるからといって、会社の地位が危うくなるほどお酒は飲んでいなかった。むしろ、お酒をやめたことで、これまでのエネルギーは消えてしまい、それまでに気づいた地位はほとんど崩れ去ったと言ってよい。先々、いつまで生きているか、その自信すらないのに、断酒で頑張って、いったい何がおもしろいというのだ・・・。

でも、そんな、悲しみなのか、怒りなのか、絶望なのか、訳の分からない飲酒の欲求があっても、結局、ここまで1滴もお酒を飲まなかった。

今では、深夜の電車に乗っていて、酔っぱらいが横に座ると、その臭いで卒倒しそうになる。会社で、朝、酒の臭いをさせている人がいると不快だ。目の前に酒があると、その香りが鼻について、思わず遠ざける。身体は、むしろ酒を拒むようになった。

ところが、精神的には、お酒を欲している。お酒を飲んでいた頃、お酒を飲みたいと思ったときに、心の中にぽっかり空いた穴ぼこが、ぐうーっと口を開くのが分かる。心のスポンジが、アルコールを吸収したくなっているような、不思議な不快感だ。きゅんとなる、というか、じんとなる、というか、じわじわする、というか・・・。それを解消する策は、例えば、マッサージ屋さんで徹底的にもんでもらうとか、炭酸飲料をひたすらがぶ飲みするとか、そう、最近は、外国産の硬いミネラルウオーターで、しかも炭酸水がいい。

結局、自分は何故、お酒を飲まないのだろう。案外、その理由は、断酒の期間が長引けば長引くほど薄れていくもののような気がする。

ただ、1つあえて言えば、断酒後につながった人間関係だろう。例えば、このblogに登場するアーティストの皆さん。人生最後の私の酔っぱらい姿を目撃した谷口ちゃんは別として、usuも、松岡ちゃんも、木下ちゃんも、和代さんも、共通して、私がお酒を飲んでいるところを見たことがない。こういう、酔っぱらっている自分を見たことがない人たちが周りにどんどん増えていき、ついに会社の人たちやこれまでの飲み友達よりも多くなると、昔にスリップすることなど考えられなくなる。人間関係の築き方も、断酒前後では変わっていることに気づく。相手が、お酒を飲まない人間として私を扱う。お酒を飲むことで壊れる関係が、いつの間にかできていることに、ふとある日気づいた。

以前も書いたが、一生断酒しようと決意したことは、一度もない。でも、一生お酒を飲むことはないと思っている。お酒をやめたのではなく、力尽きたのだ。白旗を振り、降参したのだ。でも、本人の生命力とは関係なく、お酒をやめると、いつの間にか、新しい「関係」が始まる。そこに真実があるかどうかは、まだ分からない。私は方向音痴だから。でも、正しくても、間違っていても、変わったことだけは確かなのだ。そこには、間違いなく、新しい道がある。しばらく、天を仰いでそらめいていてもいい。歩き始めたら、迷わず、前に進もうと思う。その向こうには、たぶん、幸せも不幸も、私なりに横たわっているような気がしている。

そう信じている。

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