東京・足立区で震度5強
とにかく、運が良かったのだろう。今夜は、松岡ヨシミちゃんの誕生日ライブ。私は、少し早めに家を出て、四谷に向かい、まずは20分のマッサージでリラックスした。その後、20日の松岡ちゃんの制服ライブのデジカメ写真をプリントにDTPショップへ。そのプリント中に、まず最初に足下に小さな横揺れを数秒感じた後、どーんと縦揺れに襲われた。
すぐに、デカいと悟った。震源地はここではないな、とも。当時、店には店員が1人いるのみ、客は私1人。店員の女性が、不安そうな顔で立ち上がっていて、ぼう然としていた。
私「デカいっすね」店員「そうみたいですね」
今振り返ると、とぼけた会話だ。
都心部の鉄道は、全線麻痺していた。JR四谷駅では、券売機に「準備中」の表示が出て、アナウンスで「全線でストップし、復旧の見込みがない」と繰り返しアナウンスしていた。何百人もの乗客が途方に暮れていて、携帯電話で連絡をとったり、ただただぼう然と立ち尽くしていた。駅から新宿方面に向けて、歩道には、いわゆる「帰宅難民」が徒歩で大移動を始めていた。休日のオフィス街、普段なら閑散としている歩道に、人があふれていた。私は、とりあえず、松岡ちゃんの誕生日プレゼントにと、駅のすぐ上にある店でチョコレートを買って、「帰宅難民」に混じって、四谷天窓へと向かった。
途中、50代くらいの男性が、「電車動いてないんですか?」と声をかけてきた。「みたいです」と答えると、「この人たちは、それで歩いているんですか?」と聞いてきたので、「そうです。復旧の見込みはないみたいですよ」と言うと、男性は参ったなという顔で天を見上げた。
四谷天窓.comfortは、お客様もほとんど来ていなくて、当日出演予定のアーティストの1人も、横須賀から向かう途中に地震に遭遇し、まだ到着できていない状態だった。午後6時半過ぎに開店したものの、お客様もまばら。ライブは、30分遅れでスタートした。1人目のアーティストが歌っているうちに、少しずつお客様が増えていき、1人目の終わりの頃には、客席はほぼ埋まっていた。でも、電車で無事到着できた人は少なく、タクシーを乗り継いだり、バイクで来たりと、苦労したようだ。
東京は、こんなにもろいものだったのか。
私は、1994年に上京し、翌年、阪神・淡路大震災があった。震災とすれ違ったような感じで、少し気色悪かった。震災は、多くの思い出や友人を奪った。自分がそこにいなかったことに、何故か罪悪感を感じていて、いつか自分の足下が襲われると思っていた。今回も、地震は私の足下を通り過ぎた。
東京での震度5は、1992年以来だという。こんな日に誕生日を迎える人は、おそらく、奇跡に近いだろう。一生忘れることはない。汗だくで駆けつけるお客様、電車がストップして来れないお客様、遅れても駆けつけるお客様、いろんなドラマが生まれる。
私も、もしも、松岡ちゃんの誕生日でなかったとしたら、おそらく、早めに四谷に向かったこともなかったろうし、そうでなければ、ストップした電車の車内で途方に暮れていたことだろう。写真をプリントする時間、プレゼントを物色する時間・・・。こんな風に偶然は訪れる。
だから、きっと松岡ちゃんにしろ、私にしろ、かなり運がよかった。被害を受けた方には申し訳ないが、とりあえず、ハイヤーパワーに感謝しておこう。
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