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2005年6月19日 (日)

sorameku

D1000100今日は、お昼から四谷天窓.comfortで、usuのライブ、そして、夕方からも、同じ四谷天窓.comfortで、谷口深雪ちゃんのライブ。これだけ長時間、同じライブハウスで過ごすのは、初めてかもしれない。ダブルヘッダーってやつだね。

usuとの出会いは、一昨年の12月25日、東武百貨店池袋店でのピアノオムニバスアルバム「piano&woman Episode03」のインストアライブ。私は、いろいろなことがあって、何もかも失って、抜け殻のように街を彷徨っていた。何もかも空っぽだった。「piano&woman」には谷口深雪ちゃんも参加しているので、ちょっと顔でも見に行くかなあと、いつの間にか会場に足が向いていた。クリスマスでにぎやかなフロアに、6人の歌姫が勢揃いした。その中に、usuの姿があった。

彼女の歌は、少しさびしくて、それでいて優しい。熱くはなく、冷たくもない。道に迷うこと、走りすぎて疲れたら休むこと、突っ張りすぎていて逃げ出したくなること・・・そんな人の弱さやはかなさ、痛みを優しく包み込んでくれる。

彼女はこのオムニバスアルバムで、「雛」という歌で参加している。私は、その年の年末年始、「雛」をくり返し聴いていた。

年が明けて、私は、新宿の高層ビルで全面窓ガラスに激突して、鼻骨折という災難に見舞われた。ある日、鼻にばんそうこうを貼り付けて、町田にあるカーバンクルというライブハウスに出向いた。入口を入ると、まず最初に反応してペコリと頭を下げてきたのが、usuだった。ライブハウスでお金を払ってusuの唄を聴くのは初めてだった。「雛」も含めて、この日歌った5曲に、私はすっかりはまってしまった。

2月初旬、usu主催の企画があり、初めて四谷天窓へと足を運んだ。このblogではgeminiでお馴染みの松沢和代さんが、この日、最後にステージにたった。和代さんは、usuのボーカルスクール時代の親友。usuは誰より和代さんを崇拝し、和代さんは誰よりもusuを崇拝する。トリを飾った最後の曲は、「sorameku」という曲だった。2000年7月にusuが初めてインディーズで発売した唄だ。usuも、自らピアノのサポートで登場した。「sorameku」との出会いだった。

・・・・「そらめく」という言葉には、いい意味がない。ぼけーっとしたり、ぼーっとしたりすることだ。でも、彼女は、苦しくてどうしようもないときに、やさしいところにいてもいいけど、歩き始めたら迷わないぞって、とても前向きな意味でこの唄をつくったという。ずっとずっと全速力で走り続けていた私にとっては、「立ち止まっていたければ、立ち止まっていてもいいんだよ」というメッセージは、痛いくらいに心に突き刺さって、心が落ち着いていった。立ち止まってもいいんだよ、でも、一度歩き始めたら迷わず前に進もうと。私は、長い人生の中で、初めてぴったりと立ち止まることができた気がした。大きな重荷を下ろして、人生の棚卸しをしようと思ったんだ。

この「sorameku」は、小さな奇跡を起こした。どうしても、発売当時のusuの音源を手に入れたかった私は、あちこちのCDショップを回り、検索サイトを検索した。すると、驚くことに、ある大手インターネット通販で手に入れることができた。しかも、表示が、「sorameku」ではなく「sarameku」だったのだ。本人もびっくりだった。すっかり廃盤とばかり思って、歌った本人でも家に1つしか持っていないというのに、4年も過ぎたあと、まさか手に入れることができるなんて。

2月の下旬、相模大野にあるカフェレストラン「ラシェット」で「水曜日のうた会」というイベントがあった。お客様が音の石を4つもらい、4人のうち好きなアーティストに投票できるという企画。私は、手に入れたばかりの「sorameku」をカバンに入れて、駆けつけた。この日のうた会には、不思議な魔法がかかっていた。usuのおしゃべりが、うける、うける。歌を歌えば、静まりかえったようにお客様が聴き入った。最後の曲を歌うとき、usuはじーっと考えをめぐらしていた。何十秒かの沈黙を経て、usuは、「これから歌う歌は、soramekuというんですが…、考えて見れば、usuはここから始まったんだなと…」・・・そう言って、「sorameku」がインターネットで手に入ったエピソードを紹介すると、「sorameku」を歌った。いよいよ、音の石の投票が始まり、1位の栄冠に輝いたのは、usuだった。

あのとき、オムニバスCDに「雛」があったから、私は、おそらくusuという人のライブに行ったのだろうし、usuが「sorameku」を世に生み出したからこそ、今のusuがいて、2月のusu企画での和代さんとのコラボもあり、うた会の1位にもつながる。いろんな小さな偶然が重なって、何か1本の赤い糸をつむぐような日々に少し夢中になっていたのかもしれない。

私は、この人の唄を聴き始めて、ずいぶん変わった。肩の力が抜けたというか、マイペースになった。政治とか哲学とか抽象的なものを嫌うようになった。がむしゃらに頑張ろうと思わなくなった。いろんな荷物を下ろした気がする。まだまだ、下ろすべき荷物がいっぱいある。
でも、どんどん荷物が軽くなっていく。いったいこれまで、途方もなく重い荷物を抱え込んで、どうして生きてこられたのだろう。人間は、もっと当たり前のように存在して、普通に生きているものじゃないだろうか。私は、私らしく、私なりの人生を歩みたい。

・・・「そらめく」という言葉には、そんないろいろな思いが詰まっている。

長くなってしまった・・・。この続きは、また次の機会に。

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コメント

soramekuはどうやって手に入れたのですか

投稿: ryo | 2005年11月29日 (火) 14時12分

2年ほど前までは、ある大手の通販サイトで購入することができました。今は、検索はできても、購入することは出来ないようです。

投稿: mori-chi | 2005年11月29日 (火) 18時38分

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